ニーホールド/夢日記
■070113.sat■
年季の入った商店街を弟と歩いている。
煤けた軒が連なり、怪しげな商品が売り買いされている。
あまり治安はよくなさそうだ。
練り物を焼いている店の中でテレビが明滅している。
指名手配犯の顔写真が次々映し出されていた。
こういう所ならごろごろいそうだ。
商店街から一つ角を曲がった。
大きな空き地がある。大型スーパーが撤退した跡だろう。
アーケードで覆われた商店街の中で、ここだけ日の光が差している。
しかし、この濃密な商店街の空気の中では日のあたる場所のほうが却って薄ら寒く見えた。
その光と影の境目で二人の男が争っているのが見えた。
目の前で大男のほうが小さな男を倒し、持っていたかばんを奪う。そしてこちらを見た。狩る者の目だった。
大男はこちらに近づいてくる。
逃げたら追われる。平和裏にすれ違うだけだと信じて、こちらも進路を変えない。
しかし、はかない願いは届かずに、弟が大男にいきなり殴りかかられる。
大きい。男の身長は180センチを超えている。
あっという間に弟は吹っ飛ばされた。
次は俺に蹴りが来る。
中段。
左の構えは下げずにわずかに右によけて衝撃点を外す。痛いがひるまず左腕をここで下げて足を捕らえに行く。
相手は足を引こうとする。瞬間、わずかでもつかんだ足を押し込むようにして相手を崩す。相手はとっさに受身を取るべく体をひねる。こちらとしてはそのまま裏返して膝を固めに行く。後は逃さないように必死に相手の動きに対処するだけである。
一度強くひねって間を作り、ポケットから携帯電話を取り出す。
その間は左手に相手のズボンのすそをしっかり絡めて体重で固めを維持する。そして110番。
一度大きく抵抗されてコール音が遠のくが、肩に挟んで右手をフリーにし両手での固めに戻る。
「すいません。強盗を捕まえてるんですけど、場所は…ホテル・サンロマンの前の空き地です。……はい、早く来てください。お願いします」
□ □ □
実践できるわけがありません。
夢は夢。
こんな現実にあったら即刻逃走を選択です。