2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

最近お気に入りのセンテンス/散文

彼はくつくつと笑った。 火に掛けたポットの中から空気が逃げる時、 ふたを押し上げて鳴らすような、 軽妙な笑い声だった。

寂寥/散文

□寂寥 雨風に晒されたされこうべが、 さざれ尽くして土塊に還ってゆく。 なぜあなたはここに朽ちているのか。 私は知らない。 ここで倒れ伏して、総てを喪う事で、 果たして得る物があったのか、 私は知らない。 その虚ろな頭蓋の裡に、かつて何が在ったのか…