地べたに座る/daily
列車の中で座り込む若者を見下ろす。
気付いていないのだろうなぁ、彼は。僕の視線が彼を見下ろしているという事に。
下足で歩く床が汚いという感覚は彼らの内には無いのだろう。
僕は、何となく汚いというイメージがあって座れない。
家の中の奥様連中は滅菌に躍起にというのに、若者は全く逆に兵器で地べたに座る。
部屋の床と列車の床に綺麗汚いのラインが無い。
僕は下足か否かでラインを引いているが、彼らは土か否かでラインを引いているのだろう。
それから、邪魔になると思ってもいないようだ。
周りが見えない、近視眼的な振る舞い。
自分だけが良ければいいというよりも、他人が迷惑を被っていると思っていない。
そういう視線の察知力が無い。
僕が彼らを見下ろしても、その視線は彼らに届いていない。
彼の一方的な存在の在り方を僕は首を傾げて一方的に見下している。
一体、どっちがえらそぶっているんだろうな?