保釈/News

ホリエモンが保釈されましたね。

94日間の拘置所暮らしですか…果たしてこれが裁判にどう影響しますかね…。

私的見解を申し上げさせて貰えば、この94日間の勾留は堀江氏にとって大きなプラスでしょう。

先ず一つ。

堀江氏は最後まで容疑否認を貫き通し、裁判官や検察への心象はともかくとして、検察側に優位を与えませんでした。これは、この拘置期間中に検察に殆ど得点を許していないということを示します。

逆に、堀江氏は幾つか得点を重ねています。

まず手軽な所では、痩せたのが大きい。

規則正しい生活と、必要充分のカロリー計算で成り立つ食事、健康な体は最速の思考の手助けです。飽食状態よりも頭は冴える筈です。

次いで、拘置中に色々な考え事が出来た事が大きい。

拘置中には、『白い巨塔』など200冊の本を読み、韓国語の勉強に手をつけたそうです。

それ以外にも、今後の裁判等について、彼の一流の頭脳で戦略を立てる時間を充分に持てたはず。これは彼の得点以外の何物でもありません。

逆に、考える時間を与えてしまったという意味で、検察側の失点とすら言えます。

それは何故か?

堀江氏の得点(ゲイン)の最後の一つは、マスコミの態度の軟化です。

この拘置期間中に、マスコミの報道も随分と当たりが柔らかくなりました。今では、自白を取れなかった検察に対して「何をやっているんだ?」、「地検も能力が落ちたな」と思われる始末。気付けば形勢は五分近くまで戻ってしまっています。

株式も上場廃止が済んでおり、堀江氏が対応に迫られることは全くありません。じっくり裁判に取り組む事が出来るのです。それ以外の始末は、すっかり済んでしまっているわけですから。

それに、堀江氏は世論を味方に付けて急成長を遂げました。世論が敵では無いという事は、彼にとっては3ヶ月前よりも、かなりやりやすい環境になっていると言えるでしょう。

もし保釈がもっと早かったらどうなっていたでしょうか?

例えば1ヶ月の拘置後に保釈していたら…。

確かに検察に敗北感は漂うでしょうが、そこからすぐに公判手続きを取る事は出来たでしょう。その意味では、現状に至るのが時間的に早い、という意味でむしろ現況よりは検察にとってプラスです。

一方、当時はまだまだ報道が過熱していましたから、堀江氏はテレビではなくとも、ネットや新聞での発言をせっつかれた筈です。昼も夜もマスコミに追われて、拘置所での静穏とは程遠い生活を送っていた筈。

ライブドア株の管理ポスト入りも、何か手を打とうと自ら動くなどしたでしょうね。

つまり、マスコミが熱い内に餌の如く放り込んでおけば、堀江氏は忙殺されて、今のような冷静な対処は出来ていなかったろうと思うのです。

そうすれば今頃は公判の真っ只中で、堀江氏は今よりもよっぽど磨り減った状況で裁判という正念場を迎えることとなったでしょうに。

近年、劇場型犯罪が増えていますが、犯罪者がマスコミを巧く使うようになったのに対し、検察側、警察側は全くマスコミを使いこなせていないのが現状です。

今回の堀江氏の拘置に関しても、地検は堀江氏を泳がせるべきでした。

どうせ出来る証拠隠滅や打ち合わせなどたかが知れたもの。更に、堀江氏以外の幹部の陥落の早さは、堀江氏自身に求心力が無かったことを示していましたから、心配は無用だったと思います。

むしろマスコミを使って堀江氏の神経を削って置いた方が良かったと思います。

さて、堀江氏は体勢は万全とは言わないまでも、しっかりと計算を立てた状態で裁判に臨みます。彼は、優位に立っている。

その優位が余裕となって、あのマスコミへの陳謝に現れています。

これで却ってかなり手強くなってしまったのでは?そんな予感がします。