福岡五輪招致/まちづくり

昨日は、バイト先の伝手で福岡市五輪誘致拠点施設「オリンピックプラザ」の開設記念ワークショップに行って来ました。

第一部は、磯崎氏の整備案のプレゼンテーションを中心に、ゲストとしてお越し戴いたアスリートの意見を聞くなど、会場を中心としたお話がありました。

第二部は、市民団体代表や市民情報誌の編集者による五輪誘致に関するディスカッションが行われました。

では、僕の感想を。

磯崎氏のプランは非常に魅力的でした。

須崎埠頭を再開発したメイン会場を中心に、小戸・百地浜エリア、海ノ中道エリアに分散した会場は位置は、福岡市、と言うよりは博多湾を会場とした整備プラン。

海が心理的に遠い福岡市の勿体無い点を解決するのに非常に有意義なプランでしょう。

この整備プランに付随する再開発によって、福岡市を海に開けた都市とすることが可能かもしれません。

一方で、疑問に感じたのは福岡市の運営能力です。

まず開始前。

受付が必要なのか不要なのかはっきりしない。

人垣の後ろにあった座席を開始5分前に慌てて動かす。

入り口近くにたむろしている見学者を捌けない。

小さな事ですが、会場運営にしっかりとした準備ができていない印象でした。

何人の人手を見込み、それをどう捌き、どういう風に見てもらうのか。

マスコミの位置は?写真や地図のディスプレイは?

それらが明確な意図を持って配置された印象が無かったです。甘い。

次に、ワークショップの何たるかが分かって無い。

一つ、第一部と第二部の二部構成にした意図が不明。

第一部は磯崎氏が会場案を語るばっかり、第二部は第一部のゲストがすっかり居なくなって市民だけの話し合い。

何だかちぐはぐです。

二つ、このプラザの開設の目的は何なのかが明確にされないまま、というのがマズイ。

三つ、第一部で何を得たいのかが不明。五輪経験者を呼んでいたために、エレベータが大きいのが良いとか、会場と選手村が近いのが良いとか、会場案を詰める話が中心になっていました。

そんな話は開催地に決まってからする話であって、昨日は「これから盛り上がっていきましょう」という話をすべきでしょう。

その為には、市民の協力は不可欠。なのに、第一部は市民そっちのけというのはいかにも奇妙。話の順番がオカシイです。

第二部になると、磯崎氏もアスリートも居ないため、マスコミはともかくも、一般見学客も減る始末。大丈夫か?

第二部のコーディネーターを務めた方が「随分と人が減ってしまいましたが」なんて皮肉を言わざるを得ない状況でした。来賓席でのんびりしている場合じゃないですよ?市長。

第一部の進行を務めた方も進行に手馴れてないのが明らかで、磯崎氏の建築家ノリで止まる所を知らないトークを止めきれないし。結果、30分押しするし。第二部では、マイクを動かす係は、次の発言者が指名されてからマイクを前の発言者から回収しに行くし。

目的から進行から何から何までワークショップの何たるかがわかってねぇ!

俺らの研究室が進行担当してあの体たらくだったら、先生に吊るし上げられる所だ…。

ま、第二部をやる事は2日前に決まった事らしかったですから、準備不足はある意味仕方の無い事だったのかも知れません。

これは、第二部の出席者の複数が、「二日前に突然呼ばれて、準備をバタバタして…」みたいな発言をされていた事から分かったのですが…。

逆に言うと、2日前までは市民団体の代表とかは呼んでいない予定だったのですね。磯崎氏とアスリートを呼んで、話をして終わる―そんなプロパガンダ的なイベントの予定だったのでしょう。

だから、ワークショップとしては非常にぐだぐだになってしまったと推測されます。

うん。

とりあえずマスコミ向けという意識が透けて見えて、市民の協力を得ようという姿勢が全く見えないです。失笑モノでしたね。

はっきり言って、あんな感覚では市民を巻き込む事は不可能です。

そして、市民を巻き込まずにオリンピックを開催する事は不可能です。

折角、日下部基栄さんとか凄く熱い発言をしてたのに…台無しでした。

福岡の文化的ポテンシャルは凄いものがあります。

それを活かしきれない今の運営組織では、東京に勝つ目はさらさら無いって感じですね。

今回のワークショップをとっても、反対派との対話を重視しない姿勢をとっても、戦略の無さを露呈している感があります。

僕はカネとヒトと場所の問題さえクリアできれば、五輪開催は大賛成なのですが…残念ながら費用の捻出以前の問題です。合掌。