クンフーアパート/夢日記
DATE::080117.thr
*本日の夢日記は80年代風のコメディ漫画のタッチでお送りします。
「この、軟弱者がぁー!!!」
「ぐっはあー」
俺はぶん殴られて六畳一間をひとっ飛びしてドアをぶち破って廊下に転がった。
「立て!息子よ!立ってこのアパートに住まう猛者どもと戦い、勝ち、漢となるのだ!それぞ漢の道!」
「意味が解らん!」
「…貴様は感じんのか…?このアパートに渦巻く闘気を!」
「…ハッ!?」
闇夜の廊下を渦巻くように冷たく激しい風が吹き荒れる。何者かが呼んでいる。だが、その先に待っているのは入れば二度と抜け出せないブラックホールなのだと俺は直感した。
ごくり、と膝立てのまま生唾を飲み込んでいた俺を親父の蹴りが襲う。
「とっとと覚悟を決めて行かんかー!!!」
強烈な蹴りに俺の視界は一瞬ブラックアウトした。真暗な廊下だが視界を失うと危機感がいや増した。見えないまま俺は多分階段を転げ落ちている。
視界が戻るとそこは女子更衣室だった。少年時代なら興奮して目を逸らすふりをしてチラ見するようなシーンだが新世紀に生きる俺は冷静だった。
「なんとベタな展開…だが、俺はもう80年代の絵ではもう興奮できないのか!?」
お約束の飛来物が俺を襲う。タオルとか運動靴とかバスケットボールとか金属バットとかひょうたんつぎとかきんどーちゃんとかブラジャーとかパンティーとか女の子そのものとか。
つーか、俺自身も劇画タッチだ!(背景に電撃の効果)
色んなものの下敷きになっていると、頭上で拳をパキパキ鳴らす音がした。
「貴様…俺の憧れの人になんてことを…」
ベタな展開だが返答はやはりこれしかなかろう。
「ち…違う!これは不可抗力だ!」
でもやっぱり殴られました。
「ぺサァー!?」
セリフはこれで、擬音は「メメタァ」な感じ。
「ふっふっふ…一発で済まされると思っているのか…!?」
また拳を鳴らす実在し得ない体格の大男。そんなに拳を鳴らしていると関節炎になるぞ。
「ここは…」
俺は考えた。
「どうするの!?」
俺の腕の中でお姫様抱っこ状態の女の子が聞く。っていうか、この状態で殴られたんだ、俺。「状況が掴めないので戦略的撤退だ!!」
全力でそう宣言する。なんか周りに脱力感が漂ったがそれは気にしない。
「全力の撤退だ!滝沢だってきっとそーする。俺だってそーする!」
そして全力で逃げた。
逃げて逃げて、そしてアパートの玄関口にたどりつくと、そこには熊をも殺せそうな巨漢のサザエさんヘアーが立ちふさがっていた。
…死んだな、俺。
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絵は80年代でしたが、ネタ全体は90年代もカヴァーしております。