'07シーズン反省会(破)/Hawks

松田の本塁打で同点になったかと思ったら……田上はあほか。

さて、この記事の続きで反省会を続けたいと思います。

さて、大村が実は1番向きじゃなかったのでは?というところを書いたわけですが、ではどこに?と思うところでしょう。

実は、得点圏打率を考えて3番、というのも考えられるのでは?と思っていました。

少なくとも終盤に見られた5番や6番よりも意味はあると思います。多村は大村以上に足が無いのですから(遅いと言う意味ではなく、盗塁センスが無い)。

今年ホークスを悩ませた誤算の一つ、多村。

寺原との電撃トレードで入団。40本塁打を(平均的に言って球場のサイズがパよりも狭いセで)放った実績を持つ攻守に優れたセンスを持つ外野手。僕は、ホームランは20本前後だとしても、右方向の打撃で二塁打三塁打を量産してくれるのでは?と期待していました。

が、結果はご覧の通り……もとい、打率も得点圏打率も.270前後、本塁打12本、打点67(いちおうチーム2位ですが…)ちょっとさびしい。特に、得点圏でのふがいなさが印象に残っています。

シーズン通して活躍した経験がほとんど無く、今シーズンも怪我をおしての出場がほとんどだったと聞きますが…それにしてもあっけなく凡退するシーンが多かった。僕はシーズン中盤くらいから移籍直後でもあるし6番か7番で気楽に打たせるのもありでは?と思うようになってきました。

1番川崎、2番本多、3番大村、4番松中、5番小久保、6番多村。

これならばどうだったろう?

1番から4番まで左打者というのは、対左投手において不安があるように思えますが、この4人はあまり関係ないでしょう。優秀な打者というのは左右を苦にしないものです。

さて、この中で不安があるとすれば、もう一つの誤算「松中大不振」。

再三再四、いや、もっと、このブログで散々書いきました。

松中は内角直球を世界一上手く打てる打者です。しかし、松中自身がその打撃に拘泥し過ぎました。相手投手の外角変化球攻めで、内角待ちから外角打ちをやってどんどん打撃が狂って行く泥沼にはまり、まったく脱け出せる様子が見えない。

内角を打ちたいのなら、外角を上手く捌いて相手投手に「あれ、外角だけでは打ち取れないぞ?内角も投げるしかないかな?」と思わせなくては駄目です。

しかし、王監督の名台詞「相手投手の最高の直球を打ってこそ」の精神をまっすぐに受け継ぐ男、松中には悲しいかなそれができなかった。

王監督と松中の違いはなんであったか?それは四球数。あ、過去の記録を調べるのがめんど…いや、王監督を引き合いに出すまでもありませんね。同じく四球攻めにされている中日のタイロン・ウッズを引き合いに出しましょうか。

タイロン・ウッズの572打席で116四球数、1死球です。松中は515打席で67四球、5死球です。

過去の王監督もそうでした。高いレベルの打撃を恐れて投手が逃げるのだから、四球が増えるのは当然。そんな状況で自分の打撃を崩さないために、無理にボール球を振らない。その結果としての100を超える死四球数。それも強打者の証と思えなければ、自身の打撃を見失ってしまう。それは強打者の業と言えるでしょう。

松中はその境地に達することができなかった。結果がこの不振です。

打てる球を待つ。待つのではなく、相手に投げさせる。

松中はそこへ到達せねばなりません。

…過ぎたことですけど。

あ~あ、松中大不振。

小久保は、まあ、もうちょっと打てるかと思いましたが、前の二人がこの体たらくではこの打点も仕方ないかな、と。

さて、6番までのお話が済んだところで下位打線の話をしましょうか。

いえ、下位打線の話の方が面白いんですよ?捕手を除けば。

…という、捕手のお話からしましょうか。

今季の捕手は打撃の田上、守備の山崎、的場で争いました。

田上は…打撃は期待できるですが、リードや守備がお粗末。肩に至っては絶望的に弱い。しかも、捕手として先発すると打撃に集中できないせいかあまり打っている印象が無いです。

以上を持ちまして、田上の捕手起用は無しでお願いしたい。マリーンズ、ファイターズ相手では三盗を狙われ、しかも許してしまう可能性が高くて、怖くて仕方ないですから。起用するなら指名打者でしょう。指名打者・田上の打撃は少なくともブキャナンやアダムよりは期待できます。

では、捕手は誰か?

的場と山崎では肩の勝負ではあまり差は無いです。

リードはホークスの捕手陣に共通する欠点があるように思えますので次の記事「'07シーズン反省会(球)/Hawks」に譲りますが、三人とも癖は違えど一人の打者に費やす球数が多いのは同じなので、ほぼ同レベルと判断します。

最後に、打撃で比べましょうか。

両者絶望的な打率ですが、違うところがあるとすれば犠打。

山崎には犠打がある。今季21犠打。川崎の次くらいに上手い(小久保も上手です)。他は下手。二軍でどんな教え方をしているのか首を傾げるぐらい下手なヤツが多い中で、山崎の犠打はまだ見れる。

的場は山崎より長打力があるけど、その分あっけなく三振するケースも多い。

山崎は去年は喰らいつくような粘りのあるバッティングで球数を稼いでいたし、僕の中では結構評価高いです。

なので、7番指名打者田上、8番捕手山崎をお願いしたい。

(…ま、現実のクライマックスシリーズでは捕手的場の可能性が高いですけどね。ロースコアでの勝負だとにらむのなら捕手田上起用は完全に敗北フラグだと思う)

最後、9番打者は柴原だったでしょう。

いろいろバントが下手だったり欠点がある人ですけど、ノッたときは無敵。

ノッてない時は井手で良いでしょう。非常に期待できる若手。

1番川崎、2番本多、3番大村、4番松中、5番小久保、6番多村、7番田上、8番山崎(的場)、9番柴原(井手)…こんな打線がベストだったと思います……思ってました。中盤くらいから。

1番川崎出塁→盗塁。本多タイムリー。大村初球見逃し、本多盗塁→大村タイムリー。松中フォアボール。小久保スリーラン。多村二塁打。田上タイムリー。山崎送りバント。柴原タイムリー…。

大体、こういう攻撃が考えられる打順です。これは理想論はもちろんですがね。

一番いろいろできる打順だと思います。

ま、終わってから言っても仕方ない。

最後に投手陣とリードについて語りましょうか。

(「'07シーズン反省会(球)/Hawks」に続く)