インディアナ子沢山/夢日記

■061129.wed■

(先に言っておきますと、インディ・ジョーンズ風味です。主人公と僕の同調具合はあまり高くなくて、主人公目線で映画を見ているような気分でした)

呼び鈴が鳴ったので玄関へ出てみると、そこには珍しい客がいた。

随分と大人びたようだが、大学時代に師事した××教授の末娘に違いない。活発そうな四肢と利発そうな双眸がとても印象的な娘だ。

娘はどこか慌てているようだった。

「父が大変なの!お願い、助けて!」

思いつめたように顔をしかめて、瞳には涙を浮かべている。

特に会話を交した憶えも無い若い女―それも恩師の娘の泣き顔に、俺は困惑した。

とりあえず肩をつかんで引き離し、

「落ち着いて、何があったかは書斎で聞こう」

そう言うので精一杯だった。

そうやって廊下を歩いていると、また呼び鈴が鳴る。

俺は舌打ちをして振り返る。

「何だ?客が多い日だな。君は書斎で待っていてくれ―」

そう言って玄関に戻ろうとする。しかし、歩き出そうとして袖を掴まれたので、また立ち止まる。「―何?」

「行ってはダメ」彼女は必死の形相だ。

「どうして?」

「ヤツらよ、きっと」

「“ヤツら”って?」

「軍のヤツら」

「軍?どうして僕が軍から隠れなきゃならない?」

「父の弟子だからよ」

「先生がどうして?」

「父は…殺されました」

ドアを開けると本当に軍人がいた。

自動小銃で武装した兵士二人と、その上官らしき男一人。

「××教授の研究に関してご協力いただきたいことがありまして…」

上官らしき男は慇懃に言った。

「教授は、何と言ったんですか?」俺は訊き返した。

「残念ながらお亡くなりになられたので。それでこうやって助手であったあなたに協力をお願いしている次第で…」

男は何か含みのあるような表情でしゃべる。それはとても厭な顔で、俺の胸に悪寒が走った。それで、男が言い終わらないうちに俺は額に手をやりながらそれを遮る。

「そうか…いや、少し待ってくれ。出かける用意を…」

そう言いつつ玄関口を離れ、廊下を走り始める。

(カメラが引いて屋外を捉え、上官の指示で二人の兵士が走っている)

書斎で娘が待っていた。

「どうだった?」彼女が訊く。

「イヤな感じだ」カバンといくつかの書類を掴む。

「窓から逃げよう。路地裏なら任せておけ」デスクに足を掛け、ドアを押し上げる。

「行くあてはあるの?」彼女も机に乗った。幸いなことに、彼女らしいパンツルックだ。

「無くても逃げるしかないだろう?」そう言って窓から外に出た。

隣の家とのわずかな隙間を縫うように走って逃げる。

地図ではわからない壁、植え込み、非常階段を駆使して追っ手を振り払う。

そうして追っ手を何とか撒いて、師とは付き合いの長い在野の考古学者の家を訪れた。

入り口から入るなり木箱が山積みされ、出土品からこぼれ落ちたのであろう土が床面を汚している。

木箱の山々の隙間に猫背で眼鏡をかけた胡麻塩頭の小男がいた。

中越しに俺は話し掛ける。

「○○先生、××先生が亡くなって、僕は今、軍に追われています。僕は―」

「△△よ」老考古学者は若者の言葉を遮る。

「あやつの跡を継ぐのはお主しかおるまいよ。これを見てみろ」

そう言って節くれだった指で目の前の箱の中身を示す。そこには、銀細工が土中に埋まったまま詰め込まれていた。

「これは…」彼は息を呑んだ。まるでスニーカーのような形をした、サンダルを履いた足を象った首飾りだった。(残念ながらそれが何を意味するのかこの場面では語られない――ってかきっと何も考えてない)

「持って行くといい。君ならきっと守り通せる」

そう言って老考古学者は笑った。

(そして場面は××教授の自宅前へと移る)

教授の自宅前には一個小隊が動員されているようだった。

軍用ジープが数台停まり、濃緑色の軍服をまとった兵士が並び、見るからに物々しい。

「一般人に対する警備か、これが?大袈裟過ぎる」植え込みの蔭で天を仰ぐ。

「あなたじゃなくて、本当に敵がいるのよ」彼女が横で注釈を付ける。

「敵が?」彼女を見下ろす。

「テロリスト」彼女が見上げる。

「じゃあ、俺は敵じゃないな」そう言って俺は植え込みから出て歩きだす。

「ちょっと!どうするつもり!?」彼女が袖を掴もうと付いて来る。

「正面から入ろう」

さっきのヤツは下士官だったらしい。俺の顔を見て慇懃に通してくれた。そして俺は教授の自宅の玄関を何年か振りにくぐる。

邸内は広い。

玄関ホールだけで25㎡はありそうだ。白く磨かれた壁に深紅のカーペット。相変わらずの金持ち趣味だ。

ホールの真ん中に見知った顔が立っていた。

「やあ、久しぶりだな△△君」金髪に海老茶のスーツを着たその眼鏡の男は、片頬を緩ませながらそう言った。

「やあ、こちらこそ、ムスカ君」俺はにやけて返答する。

「そのネタはいい加減に止めたまえ」昂然と眉を吊り上げ、顎を上げてそいつはそれでもまろやかな口ぶりで言う。

「どう見たってムスカなんだよ、お前は。通るぞ」俺は取り合わずそのムスカ氏の隣を過ぎようとする。

「協力すると言うから穏やかに出てやっているんだ」耳のそばでヤツはそう言ったが、俺は無視を決め込んだ。

2階に上がり談話室に入ると、唐突に嬌声に囲まれ、数人の突進を受けそうになった。その勢いを何とか押しとどめ、ちょっと距離をとって久しぶりの対面をする。

目の前には10人の女性がいる。内1人は今一緒に来た末娘。そしてそれ以外は腹違いを含んで全て彼女の姉である。

つまり、××教授は信じられないほどの艶福家であり、全員を屋敷に引き取っていた。

□ □ □ 

長いな~

えっと、どうやら××教授は発掘に行っては…ということらしいですね。

ムスカ氏は我ながら可笑しかった。

確かにイメージ近いけど、ラピュタでも探そうというのかね!?

ワケわかんないです。ええ、もうさっぱり(←自分のことなのに)