寄宿舎の朝/夢日記

夢日記081004.sat

僕は猫のように梁を伝って歩いている。

あるいは、今は猫なのかもしれない。

天井がなく、床と屋根の間には梁しかない。

その梁の上を歩いている。

いい匂いがした。

見下ろすと子供たちがおいしそうなシチューを囲んでいる。

黒い僧服を着たシスターたちはゆったりと足を運び、食事の準備を整えている。

朝食が始まるのだ。

僕は慌てた。僕も朝食を食べたい。

そう思って梁の上を駆け、自分の部屋へと飛び降りる。

僕の体はベッドと壁の隙間に落ちていて、僕はそれを目にしたとたんに猫から離れて自分の目で壁を見た。

壁に右手を添えて左ひじで上半身を起こす。そこから右ひじをベッドのふちにかけ、左腕を伸ばしつつ左足をつっぱって隙間から脱出した。

ベッドの上に横たわると隙間から黒猫がベッドの上に飛びあがった。

起こしにきてくれたのだろう。じっとこちらを見つめるので、ほほを指でなでてやると嫌がるそぶりをみせつつも気持ちよさそうに片目をつむった。

後ろでドアを叩く音がする。

「おきてください、朝食です」

返事をせずに黒猫を見ていると、猫はベッドからひょいっと窓に飛び上がってドアのほうにあごをしゃくって見せた。もう行け、ということだろう。黒猫はひらりと窓から飛び出して、見えなくなった。

僕はドアの外に返事をしてシャツを着る。

子供たちが帰っていくのを僕らは見送る。

中には手を振ってくれる子もいて、僕らは彼らが見えなくなるまで手を振った。

手を振る必要がなくなった時、院長が口を開いて礼を言う。

僕はそれにたいして謙遜する。

「また、いつでもお手伝いしますよ」

そう言って、学生たちと門を出た。

彼らは建築学科の学生で、歴史的な建造物である修道院に興味があったのだ。

「本当にいい一日でした」

そう、彼らは言う。

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現実には俺はこんなにいい人じゃないなぁ。