2008-01-01から1年間の記事一覧

ありの食べ物/daily

芝生の上であぐらを組み、太陽を浴びる。 手は伸ばして膝の上に。手首が膝小僧に載るように。 目を瞑る。 芝の葉のひんやりとした感触を足で感じる。 額から顔、腕、腹は太陽のあたたかさを感じる。 風がときおり服の中を吹きすぎて行き、あたたかさを減じる…

村上春樹『海辺のカフカ』(上・下)新潮文庫/読書感想

2002年の作品。 うーん……カフカ少年は少年から大人になっただろうか? 大人になったかもしれない。しかし、不思議な大人になった。 世の中にいる大人は一般的な意味で大人だが、果たして彼がそうなったように、またはいくつかの登場人物がそうであったように…

上橋菜穂子『天と地の守り人』偕成社/読書感想

三部立てになっており、非常に長いです。 それから、かなり政治的、軍事的にシビアな話が物語の大部分を占めます。 面白かったです。 が、ちょっと難しいかな、と。 どこがというでもないですが……チャグムが微力である点が少年には息苦しく、バルサの感覚が…

CSまで間が空きすぎて間延びしてね?/Hawks

ペナントレースはやっぱりセ・パ同日に始まって、同日までに終わるべきだよ。 ごくごく常識的な意見だけどさ。 さて、巨人が大逆転でペナントを制し、パ・リーグのCS1stステージはシーズン3位の日本ハムがスイープしました。 阪神の岡田監督が大逆転を許し…

大洪水/夢日記

*夢日記081016* バスに乗っている。 ここは山奥。 アップダウンの激しい道を進む。 ダム湖が見える。 が、ダム湖の堤体のこちら側と向こう側とで水位が同じだ。 坂道をしばらく下るとひろびろと水面が広がっている場所に出た。 道路は水の中へと消えている…

田中康夫『なんとなく、クリスタル』新潮文庫/読書感想

執拗なまでな数の通ぶる註釈と最後の少子高齢化のデータとのギャップが難しいんだよなぁ。 バブル期の20代が目指していたものの姿が描かれているというのは正しい。 しかし、由利は、これでいいと思っているなんとなくクリスタルな生活の裏側に、激しく原始…

奇祭/夢日記

*夢日記081014* 素っ裸で老若男女が背面の平泳ぎで川を泳ぐという奇祭が行われている。 僕は取材に来た記者。 どういう考えで参加しているのか聴いて来いという上司の指示で、祭りを終えて集落へ戻るバスに無理矢理乗り込んだ。 そしたら、乗り込む時に怪…

ヒトガタ/夢日記

*夢日記* 今はもう廃墟になっているであろう、かつての祖母の家の居間に座っている。 宅配便で小さな箱が届いた。 それはなんだか自分に良く似たプラモデルだった。 フレームから切り取って、胴体に腕や脚をつけて全身を完成させる。 良く見ると肘から肩に…

支倉凍砂『狼と香辛料 対立の町』(上・下)/読書感想

『狼と香辛料Ⅷ』と『狼と香辛料Ⅸ』がそれぞれ上巻・下巻なわけですが、実はこの二巻で描かれる一連の事件は外伝であった『Ⅶ』を隔てて『Ⅵ』と非常に強いつながりがあります。 敢えて言えばⅥ・Ⅷ・Ⅸで上・中・下と三巻組みを構成していると言えましょう。 さて…

転換期中盤/daily

世の中が動いている感じですね。 ノーベル賞には驚いたなぁ。 まさかあんな古いので賞がでるなんて。 小林・益川理論と言えば素粒子物理では図解雑学でも中ほどに載るようなレベルの基礎教養でしょ。と、書きつつぜんぜんわからないけど。 蛍光物質によるマ…

上橋菜穂子『蒼路の旅人』/読書感想

前作『神の守り人』でテーマの大きさのあまり消化不良のような印象が残った所から一転、 今作はチャグムがタルシュ帝国から伸びる陰謀の手に絡め取られ、それまでの常識を覆され続ける苦境を経験します。 さあ、チャグムの運命はどうなるのでしょうか!? と…

寝袋殺人事件/夢日記

■夢日記 早朝のデパートだ。 部分改装を控えていて、作業員が様々な機材を運び込む横を歩いている。 俺は書店に、弟はアウトドアコーナー、妹はアパレル系へと散った。 惣菜コーナーの匂いが俺の胃袋を刺激する。 と、通り過ぎた方向から悲鳴が上がった。 慌…

打撃の考え方/Hawks

コーチ陣と第一次戦力外が発表されるまで書くのを自重しようと思っていたけれど、王語録に注目すべき部分があったので我慢できずに反応。 気になった箇所は秋山新監督についての質問に応答した部分。 ―2年間、総合コーチとチーフコーチを務めた秋山新監督の…

超弩級海戦/夢日記

■夢日記 艦が傾いていく。船倉から甲板へと浸水によって船員たちが追い出されてきた。 だが、外にも安全な場所は無い。周囲の駆逐艦からの銃撃と砲撃で船員たちは次々と命を散らせて行く。 更に、波間から敵潜水艦が浮上し、周囲の駆逐艦からも海兵が切り込…

二階堂黎人『地獄の奇術師』講談社文庫/読書感想

良い本格推理小説です。 しかも、探偵小説の趣を良く含んでいて素晴らしい。 1992年の作品ですが、作中の舞台は昭和42年ですから、1967年のことですね。 つまり、村上龍の『69 -sixty nine-』や村上春樹の『ノルウェイの森』を見れば分かりますが、二階堂蘭…

9月の読書生活/読書

■購入 9/1 清涼院流水『コズミック』(流・水)、『ジョーカー』(清・涼)講談社文庫、 高野和明『13階段』講談社文庫、ロバート・A・ハインライン『夏への扉』ハヤカワSF文庫 9/9 伊坂幸太郎『オーデュポンの祈り』新潮文庫 9/22 村上春樹『ノルウェイの森…

寄宿舎の朝/夢日記

*夢日記081004.sat 僕は猫のように梁を伝って歩いている。 あるいは、今は猫なのかもしれない。 天井がなく、床と屋根の間には梁しかない。 その梁の上を歩いている。 いい匂いがした。 見下ろすと子供たちがおいしそうなシチューを囲んでいる。 黒い僧服を…

貫井徳郎『鬼流殺生祭』講談社文庫/読書感想

維新直後、明詞時代を舞台として、婚礼を控えた武家の青年が殺害され、被害者の友人が遺族から事件の解決を依頼されるが――というお話。 トリックというほどのものもなく、ただ、動機だけは不思議だったけれど――結末としては、まあ、そうだよなぁと。 明治時…

秋山政権へ/Hawks

王監督の後任は秋山チーフコーチの内部昇格で決定みたい。 フロントは華があるコーチを招聘したいと考えているみたいで、組閣はどうなるのかまだ不透明。 たぶん、古田バッテリーコーチとか妄想しているのだと思う。それは、ファンも妄想してる。 捕手育成に…

村上春樹『ノルウェイの森』講談社文庫/読書感想

Isn't it good, "Norwegian woods"? いいね、この小説。 描写が細やかで、情報が多い。著者は書かなくてはいけないと思っていて、しかし、それがどういう形になるべきか分からない。だから思い浮かぶことをそのまま書いている。その結果が、描写の繊細さだと…

大気/daily

おっはよう! まだ酔っ払ってますよー。 昨日は0時くらいまで飲んでいて、日本酒4本くらい空けたよ。 楽しかった。 話の内容は一人暮らしとか生活の話以外は下ネタ。 つーか、帰り道に道端でみんな吐き過ぎですから。 俺は吐いて無いよ。帰ったら風呂も入…

シンク/散文

逆さまに沈む海 浮力に吊されて 私は苦しい 手を伸ばすけれど地面は遠く 足は天を差して水面についたり離れたり 足元は明るく 頭の先ほど暗く 僕は地面を求めてもがく 体は芯が通ったみたいに動かなくて 手足だけをじたばたと泳がす そこではたと気がつく 頭…

けらけら/daily

オッケー、こんにちわ、みなさん、生きてるよー。 架空の話。 何もない。 ……何もない。 ご飯を食べようか。 それで生きていける。 音楽を聞こうか。 本を読もうか。 テレビを見ようか。 無意味だ。 けど、意味があることができると思わない。 ごろりと寝転が…

後任人事/Hawks

うーん。 王監督の後任について、秋山チーフ以外の名前が挙がっているみたいです。 ……これって、中央にいるオーナー周辺が知名度を気にしているのだと思いますけど、九州からすれば秋山チーフの知名度と親近感は古田などよりも余程上ですよ。 孫オーナーはビ…

ケータイ小説を読んでみた/読書感想

まずはこちらのニュースから。 「あしたの虹」を書いた理由 対談 瀬戸内寂聴さん・藤原新也さん(毎日新聞)から一部抜粋 瀬戸内 ケータイ小説については日本語をだめにする、文学ではないなど、悪口ばかりを聞きました。でも非常に売れている。知らなきゃ何…

村上龍『限りなく透明に近いブルー』講談社文庫/読書感想

トリップ小説(お薬的意味で) 入院しておしまい 地の文に語り手も第三者も溶けてしまっていることが多い。 しかし、きちんとセリフが分かれている部分もある。 それは、麻薬によって自己の境界が不明確になっている状態と、そこから覚めて自己が戻った状態…

勉強方法/daily

「経済学という教養」(稲葉振一郎)という本を読んだがよく覚えていない。 書いて理解する程度の頭脳しか持たないことを忘れていたようだ。 図書館でまとめながら読むことにしよう。 メモを書けという人が多い。 僕はそれを子供っぽい勉強法だと勘違いして…

『ハリー・ポッターと死の秘宝』静山社/読書感想

10年前に手に取ったときには思わなかったくらいにシビアな物語として完結しました。 死亡したキャラクタの数を覚えていないくらいです。 一巻からずっと隠れていた伏線が現れたり、一巻と比べて見違える成長を遂げた登場人物がいたり、全巻を読み終わってみ…

'08ホーム最終戦~王監督ありがとうございました/Hawks

王監督退任。 昨日は出かけるつもりだったのですが、虫の知らせか家でテレビ観戦をすることにしました。 そして、そのニュースを知りました。 正直、ホッとしました。 このブログではずっと書いてきました。 王監督の采配が胃の全摘手術以降、弱気になってき…

高野和明『13階段』講談社文庫/読書感想

第47回江戸川乱歩賞作品。 タイトルだけでも不吉な感じがして良いのだが、中身も硬派で良い出来。 死刑制度を中心に日本の司法制度について衒学趣味を感じさせることなく十分に語って問題提起し、かつ、サスペンスとして本筋のプロットにも趣向を凝らしてい…