アイザック・アシモフ『ファウンデーションの彼方へ』/小説感想
気がつけば読み終わったの3日前だよ…しまった(汗
SFの大家の作品。
ファウンデーションシリーズの4作目にあたるのだけれど……
最近のSFでテレパシーの位置づけがどうなのか知らないけれど、テレパシーの可能性のひとつの極限を扱ったいい作品に仕上がっております。
それが自由意志と平和とのジレンマにつながるんですが……。
この自由意志の問題というのはファウンデーションシリーズのそれまでの3作の中で徐々に重要さを増してきていたもので、おそらくアシモフ自身の精神的変容によってうまく1作目の着想を処理しきれなくなったために人気のファウンデーションシリーズを一度終了と宣告せねばならなくなったのだと思う。
それは、若さの特徴のひとつ、絶対的なひとつの解を求めがちであるために、1作目において自由意志が抑圧されているということに気がついていなかったのだろうけれど、社会に揉まれるにつれて自由意志とそれによって生まれる解答の多様性が重要に思われてくる中で耐え難い抵抗が生まれてしまったのだろうと推測する。
それがアシモフの中で解決したからこそ、この作品が生まれ、そしてアシモフに確証がなかったにしろ、それは同じく精神的に変容した読者の側にも受け入れられたのだと思う。
しかし、今作品だけで自由意志の問題は解決されておらず、続編の『ファウンデーションと地球』に多くの部分が期待されているように思われた。
そして、『ファウンデーションと地球』の上巻を既に読み終えたのだが、下巻がどこにも売っていないのだった。がっでむ。