2敗目/Hawks

今日29日の試合はスタンドリッジと田上がダブルノックアウトでしたね。

3回0/3を92球って、今日和田はファームで89球で完封したという情報が入っているのに……

投手を「調子が良い」と評する場合、それは概ねコントロールか球威を評価している事が多いです。

それは、球威がなくてもコントロールが良ければ揺さ振って打ち取る事ができますし、球威があればある程度コントロールがつかなくても強引に打ち取る事ができるからです。

捕手がリードする中で気をつけるポイントは4つだと思います。

一つ目は投手の調子。直球のノビ、変化球のキレ。球種ごとにコントロールの出来も異なり、同じ直球でも右打者の外角は高低にばらつく一方で内角は低めの一箇所にしか行かない、なんて場合もあります。そしてそれは試合展開によって1イニングごとにすら変化し、その都度捕手は対応を迫られます。

二つ目は打者の狙い球。直近数試合の調子はどうか。前の打席はどうだったか。打席での立ち位置、バットのグリップの位置。それらから導き出される初球。そして初球への反応から探る狙い球。「決め打ち」タイプの打者ならば、この初球への対応で勝負が決まる事もあるだろう。

三つ目は審判のストライクゾーン。理想は毎試合同じストライクゾーンですけれど、審判も人間ですし日によってストライクゾーンの形は変わってしまいます。内角に広かったり、外角が狭かったり。四角ならまだしも、外角の高めは広いのに低めは狭かったりして台形になっている場合すらあります(3/23対楽天ホームでの林球審とか)。それを見切るのも捕手の仕事です。投手の側ではなかなか微調整できるものではないですから、取ってもらえないコースは捨てて見せ球にするしかありません。

四つ目は試合の流れ。点差や相手投手の調子から勝負所を見極めるのも重要です。相手のベンチの作戦もここから決まってますし、バントで手堅く来るか、エンドランでリスクを取ってくるか。ヒットなら良し、四球がダメという場面や、逆に安易にストライクを取らず最悪四球で良しという場面。これらの判断が必要で、それをリードを通して、あるいはタイムを取って、投手と共有できなければなりません。

さて、ホークスの捕手で言うと、山崎は1番目と3番目はかなりできるようになりました。2番目もなかなか。4番目はもう少し。

田上と的山は1番目はぼちぼち。2番目はまあまあ。3番目と4番目はからっきしって感じがします。

ちなみに、捕球は山崎が断然良くて、他はサインを出してから一旦ミットを下げてしまう点が気になります。サイン違いへの反応も鈍いです。送球の速さは的山が一番ですが、精確性は横並びという感じがしますね。

調子が悪い投手を上手くリードできる、守備力では山崎が格別に勝っている……と僕は評価しているのですけど……どうして使われないんでしょう?

打撃面では確かに山崎はヘボイです。でもそれを言ったら投手が調子悪い時の田上だって同様。田上が打てるのは投手の調子が良い時だけですよ。的山は……おいといて。

しかし山崎にはたった一つ、誰にも負けない打撃面での強みがあります。それはホークス野手全部を集めても恐らく上位3人に入るということ!(球界全体で見ると平均より少しうまめ、というレベルと思いますが、いかんせんホークス野手は揃いも揃ってバントが下手なので……。)そもそも「打てる捕手」なんて贅沢品以外のなにものでも無いんですよね。「守れる捕手」が業界標準です。

だから、先発捕手山崎で中盤以降ビハインドの状況なら代打田上で逆転を図る、という方針で上手く行くと思うんですが……。その方が田上も代打の第一打席に集中できるでしょうし。

全体的に打撃が低調に見えるかもしれませんが、それは主力が打てていないからそう見えているのであって、多村、柴原、松田は3割超えているし、井手も2割8分打っています。チーム打率も2割8分くらいあるんです。これで勝てないのは、ちょっとベンチが動きすぎていて選手が思考停止に陥っているからではないかと思っています。

もっとシンプルに、セオリーを踏んで行けばいいと思うのですよ。