カレーと木彫りカヌーと夜空のオパール/夢日記
■071203.mon
新しく出来上がった道路の出来上がりを見に、先輩と海沿いの田舎道を車で行く。
この新しい道は、これまで海岸線のがけ下を蛇行していた道を、架橋して直線化したものである。峠越えから一直線に海岸線レベルまで下る長い坂は壮観であるといえる。
これで落石によってこの先の集落との連絡が絶たれることもなくなるだろう。
坂を下った所にカレー屋が一軒建っていた。俺と先輩はここで昼食を摂ることにする。
店は木造で素朴な印象である。
そして、店内にはカレーのよいにおいが漂っている。メニューを見るとカレー以外にはうどんを出しているようだ。
俺と先輩は当然カレーを注文する。
ほどなくカレーがやってきた。うまい。とにかくうまい。人生の中で食べたカレーの中でもベスト3に入る。あつあつでピリカラのカレーにほほを熱くしながら、俺は次はあの人と来たいな、などと考える。
そして、その機会は早速やってくる。
仲間内でカレーを食べに行こうという話になったのだ。そこで俺はこのカレー屋の話を出して、そして、帰りに近所で木彫りのカヌーに乗ろうというプランを提示する。これにはみんな乗り気になり、日取りまでもがあっさりと次の週末に決定する。
そして当日。
行きの車の中で俺は例のあの人とばかり話をしていた。俺は周囲のじと目に気がついていたのだが、彼女は気づいているのか気づいていないのか……。俺は少し困った風に見せつつ、それでも内心は舞い上がっていた。
そして、カレー屋に到着した。
俺と彼女が差し向かいに座ると、一緒に来た連中はばらばらに俺たちを孤立させるかのように着座する。さすがにこれには俺の顔を憶えてくれていた店の人への手前もあり、抗議して固まって座ってもらった。俺はかなりうんざりしていたが、彼女はなんだか楽しそうだった。
カレーはそんな連中にも大好評で、みんなは盛んに女将さんにまたの来店を約束していた。
そして、舟遊びの時間になった。
予定よりも遅れて夕暮れ時の出航となった。俺は少し不安を覚えたが、みんなは乗り気で延期という案は即時却下された。みんな海をなめている。
海に出てみると案外凪いでいて、取り越し苦労かに思われた。
なにより星がきれいだった。
都会ではとても見られない数の星が、天頂の濃紺から西の水平線の茜色への見事なグラデーションの中に浮かび上がり、きらきらと瞬いていた。
全員が言葉を失くし、ただため息を吐き出した。
無言で空を見回していると不思議なものを見つけた。
青く明るく輝く星が密集している部分が、時には青から緑、そして橙から赤へと鮮やかに色を変えていたのだ。青白く輝く星団はプレアデス―昴だろうと俺は推測した。しかし、その付近がオパールのように鮮やかに色を変えるなどとは聞いたことがない。しかし、それを見上げながら彼女が僕の手をそっと握ったので、奇跡的な現象をそのままの奇跡として受け止めていいのだと思えたのだった。
彼女が口を開いた。
「回りくどかったけど解り易すぎだから、そっちから告白したってことにしてあげるわ」
「それは……嬉しい」
僕は率直に答える。彼女は少し頬を染めた。
「まったく、今日はいいさらし者だったわ」
「ごめん」
「……でも、こんな素敵なものが見られた」
「うん……」
そして、誰かが気がついた。
「なんかさ……沖に流されてないか?」
「ホントだ!いつの間にか流れが速くなってるぞ!」
「やっべえ!漕げ漕げ漕げー!」
「まずい!まずいって!このままじゃあの海生の樹林に突っ込むぞ!」
「みなさんどたばたしないでください!舵が取れませんから!このままあそこの砂地に突っ込みます!」
「おい!いいのかよ!壊れるぞ!」
「難破するよりはマシです!衝撃来ますからしっかり船べりにしがみついてください!」
そしてうまく船腹から砂地に寄せて、接岸した。かなり無理やりだったので、艪が何本か折れてしまったが、幸いみんなに怪我はなかった。
みんなにはたっぷり怒られた。
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夢の見すぎです……orz