うなぎとSOS/夢日記

■070123.tue-1■

馴染みのうなぎ屋は擁壁を背にして立っており、1階から入って2階へ抜けると丘を切り開いて造成された新興住宅地への近道になる。

紺に白地でのたくった字で「うなぎ」と染め抜いた暖簾をくぐった中は、柱も壁もどことなくたれの色に染まり、空気は甘辛く香ばしい。

「おじさん、ちょっと通ります」

「おう、久し振りだな。ちょっとご無沙汰じゃあないか?」

「すいません。ちょっと忙しくて…」

「今日は嬢ちゃんが来るって言ってたぞ。最近じゃすっかり常連だ」

「それは良かった」

「いいもんかい。こないだは『ぜんぜん会えない』ってぼやいてたぞ」

そこへ更に座敷から顔を出した常連のおじさんおばさんコンビが顔を出す。

「そうだよアンタ。今日の夕飯はここで食べな」

「そうだそうだ」

「あ~……、じゃあそうします。焼けるまでにちょっと本屋行ってきますから」

「毎度ありぃ」

狭い階段を登り2階裏口へと出る。

立ち並ぶ商店の戸口から洩れる暖かな光とは違い、こちら側は常夜灯の青白い光が路面を照らしている。

狭い路地と片側2車線の高規格道路。まるきり別世界。

道路沿いのチェーン展開の書店に入った。

目的の書籍は入荷していなかった。焼き上がりの時間までに間があるので少し立読みをしようかと思う。

書棚に向かってどれを手に取ろうかという時、懐で携帯電話が振動した。もう焼き上がるから戻れとのこと。

□ □ □ 

以下規定により省略ですv

もう一本↓

■070123.tue-2■

初夏―。

綺麗にグラデーションがかかった理想的な青空の下、校舎はしみ一つ無い白さながらも目に優しい色合いをしている。木々の緑も明るめの色と暗めの色の二色塗りで、風が吹いていないのか一切ざわめくことも無い。

聞こえてくる音と言えば聞きなれたセミの声と間の抜けた野球部の掛け声、それに続く金属バットの音―どこかで録音したものを使いまわしているんじゃないかとしばしば疑うが、たとえ録音だったとして俺の日常にそれが影響するわけでもないからその思考をすぐに頭から締め出す。要するに、俺は固定された背景の中をモブキャラとともに歩き、校舎に吸い込まれるように消えるしかないわけだ。

で、退屈な登校シーンが終わる所からが本題だ。

いきなりものすごい勢いで手が現れてネクタイを掴む。手の主の顔が見えないままに引っぱられていくのだが、ここで体格差とかネクタイの強度を気にしてはいけない。これは虚構に過ぎないのだ。それが誰の妄想なのかはモブキャラから一歩ぬきんでているとはいえ俺なんかに知る由も無い。

そして抗議の声が響きながら画面は外に出て、校舎をなめるように上へと進む。……つまり、屋上に向かっているのだな、これは。

そして例のあの場所で、あの顔、あの目をしているこいつにびしっと指先を突きつけられる。

「今度はゴルフよ!」

何だろうこのすっごい既視感は……?(←夢だから当たり前)

「……で、今度はどこが相手なんだ?」

大きく肩を落としながら俺は尋ねる。まあ、聞いた所でその対戦相手が可哀想な事になることが避けられるわけもないのだが。

「そーと決まったら特訓よ~!」

「って聞いてないし!?」もう横向いてるし!

「さっ!練習♪練習♪」

本格バトルアニメも真っ青な効果付きで左手が再びネクタイを掴み、こいつは階段を降り始める。

「お…降りるんだったら何でここに…!?ちょっ……」

青い空をバックに引きずられる効果音とうめき声だけが響いていた。

「―というわけで次回、『ゴルフ日和』!はらわたをぶちまけろッ!」

「―って!それは違う番組!」

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この夢はカメラの引きっぷりからいっても僕は主役ではなくて視聴者、“俺”を主語にしているのも一応そのつもりもあってのことです。

最後は武装錬金ですね。

それはいいとして、まあ、昔から実写、アニメ絵の両方で夢見てましたから、今に始まったことではないですが……重症ですね。

やばいね…いつか見るとは思っていたけどね…まあ、自分で決めたルールに反してないから書かざるを得ないんだけど。

ま、そういうのも含んで夢日記だよね!(←底知れぬ恥知らず)