感性と複製/daily

はてブ「日本の伝統色 - 2xup repos」がホットエントリになってる。

色と日本語名を対応させてるんだけど、16進数もついてて便利そう。

…でも、よくよく思い返したら、「原色大辞典、他」のが便利な気が…。

どっちが色数多いかな…?

ま、でも、見せ方は前者のほうが綺麗だね。眺めてて楽しい。

こういう微妙な色合いの違いを気にする日本の繊細な感覚は好きだな~。

問題は環境による再現力だよね…プリンタによっても違うからなぁ。

絵画もプリントアウトで再現できるから、名画をわざわざ見に行く意味がどうのとか、そういう無粋な方々が居るけど、スキャナも万能じゃない。

投光する角度、表面の曇り、湿度等で光線の具合は変わってしまう。本当に本物と同一というのは、スキャナでは無理。

分子単位で座標と種類を同定して再現すれば同一といえるだろうけど、そこまでの労力を使うぐらいなら美術館に行ったほうが良い。

構図やタッチはともかくとして、色彩は難しい。

美術館の側も、その絵が最も映えるように光の加減を考えているだろうしね。

色彩に関しては、機械を通すと本物を知ることはできないだろうなぁ。

人の手によって創られたものは人の目によってしか鑑賞できない。

というよりも、機械が測定する本物と人間が感じ取る本物の差は絶対に埋まらないということに意味があると思う。人の目は脳と繋がっていて、その個人の文化的バックグラウンドがその実在に対する理解に大きく影響するから、その実在をありのままに見ることが得意ではない。

その意味では、機械的複製を本物と同一と考えるような文化的背景を意識に持つ人にとっては、本当に機械的複製と本物は同一なのか…。

僕は、それらは別物と思うし、きっと実際に違うように感じる事が出来るだろうと思う。そういう感性を持っていたいと思う。

…ところで、幾つかの色の16進表示コードが違ってる気がする…これも感性の違いで再現に差が生じているのだろうか?それとも、機械的な環境の差が双方にあって、それが結果的に差になっているのだろうか?

しかし、考えてみれば染物の色も気温や湿度、水温によって変わるものだからある程度の幅を持った概念であるはず。そんなに気にする事ではないのだろう。

でも、こういうニュアンスに敏感でありたいなぁ。