味覚年齢/daily

秋。

なすがおいしい季節である。

煮ても焼いてもおいしい。

かつぶしをぱらぱらとふりかけて、しょうゆをちうと足らす。

身はしっとりとしてやわらかく、味はどこかこうばしい甘さがある。

こんなおいしいなすび、昔は嫌いだった。

少なくとも高校生の中頃まではおいしく感じていなかったと記憶している。

食えるようになったのは大学時代で、最近では目が無いとまで言えるくらい好物となっている。

これはやはり味覚が変わったのだろう。

同様に、ひじきも最近「不味くは無い」と感じるようになった。

おからも顔をゆがめるほどではない。

そういえば茶碗蒸しが食えるようになったのは中学生の中頃だった。

味覚にも年齢があって、嫌いな食べ物のいくつかは時間が解決してくれるのではなかろうか。

生理学的に言えば、ホルモンバランスとかそういう云々カンヌンが関係するに違いない。

体質が成長によって変わる結果、味覚が変化するのである。

体質と味覚が連動する例は妊婦の例を引き合いに出せば良いだろうか?

このように味覚にも年齢があるのだろう。

しかし、それにしても不思議なものである。