メンテ!メンテ!/パソコン

ウィンドウズのマイクロソフトが、パソコンのソフト的メンテナンスを一挙に取り扱うオンラインサービス“Windows Live OneCare PC セーフティ”を開始しました。

これは主要なものだけ挙げると、(1)復元ポイント作成、(2)ウィルス・スパイウェアチェック、(3)ディスククリーンアップ、(4)ディスクデフラグ、(5)無効レジストリの削除をやってくれます。

怠りがちなメンテナンスの内のソフト面を丸ごとやってくれるので、かなり使い勝手が良いですね。

どうせ時間が掛かるのでこの機会に「フルスキャン」を行ってみてはいかがでしょうか?

これを月に1回やるのが、常識になる日が来るかも……(アンチウィルスを提供してきた会社にとっては悪夢だけど、これの唯一のウィークポイントは恒常的な対策にはなっていない点だよね。あくまでもオンラインチェックだから)

一応、何をやってくれるのかをざっと説明します。(以下、初心者向けの説明なので格納。玄人は見ない事をオススメ)

このくらいは理解しておく事をオススメします。

(1)復元ポイントの作成

これはチェックの後にファイルやレジストリを削除して、不具合が発生した場合に元に戻るポイント、つまりセーブデータをとるようなもんですね。保険とでも思って下さい。ま、これに頼る羽目に陥る確率は低いと思いますが。

(2)ウィルス・スパイウェアチェック

これは、PCにウィルスウェアやトロイの木馬スパイウェアが進入していないかをチェック、そして削除してくれます。(削除は実際には(2)~(6)のチェック結果報告を見て、その後に行われます)

ウィルスウェアは、主にメールから進入して勝手に増殖、メール等を勝手に使って自ら拡散するソフト。

トロイの木馬は、正常なソフトに見せかけて、不正な破壊活動を行うソフト。

スパイウェアは、ネットからダウンロードされたファイルに紛れ込んで一緒に利用許諾を取り、情報収集を行うソフト。

どいつもこいつも勝手に動いてメモリを喰らうので、それで大体露見する。

メールとかネットを慎重に使えば心配ないが、これらの対策にはアンチウィルスを入れるべき。ただし、普通は有料。タダもあるけど初心者には敷居が高い。<関連記事→メンテ/daily

(3)ディスククリーンアップ

仮想メモリ」というのをご存知だろうか?

パソコンは、ハードディスクドライブ、メモリ、CPUの三つの組み合わせで成り立っている。

ハードディスクは大容量だが処理速度が遅い。

CPUは処理速度が速いが容量が小さい。

というようにハードディスクとCPUには一長一短があった。

「じゃあ、記憶はハードディスクにして、計算はCPUにすればいい」と思ったが、ハードディスクじゃ遅すぎてCPUの足を引っ張ってしまう。

…というわけで、両者の中間の能力を持ったメモリに仲介させることでパソコンの計算処理は成り立っているわけです。

動いているアプリケーションの情報はハードディスクから取り出され、一端メモリに入れられます。そして必要な分だけ更に細かく取り出してCPUに入れ、計算にかけているのです。

下のタスクバーにアプリケーションが表示されているヤツは、全部メモリに入っている状態と思ってください。このタスクバーに見えているやつ以外にも、メモリにはウィンドウズXPそのものや、バックグラウンド(背景)で動いているアプリケーションが入っています。「メモリが足りなくなる」というのは、こいつらが多くてメモリに入りきれなくなっている状態なのです。

ここで、仮想メモリの登場です。

仮想メモリというのは、メモリに入っていても全てのアプリケーションが動いているわけではないですよね。一番上のウィンドウのアプリケーション以外は、重要度が低い。そういう奴らを一端、ハードディスクに作った仮想のメモリっぽくした領域にとりあえず置いといて、それでメインのアプリケーションを仮想じゃないメモリの方で動かそう、というシステムです。

(こいつが結構重要なのです。メモリが256MBだとXPでは正直苦しいです。XP自身が動いているだけでそのうちの半分ちょいを占領してしまいます。よって例えばウチのノートでは400MBの仮想メモリを設定しています)

が、この仮想メモリはハードディスク上にあり、設定した分の空白がハードディスクに確保されていないと、仮想メモリの機動力が低下するのでパソコンのパフォーマンスがかなり落ちます。

ってわけで、パソコンの空き容量は常に仮想メモリより少し大きいくらいが必要となるわけです。40GBあるからと言って、39.9GBまで入れると劇的にパソコンがのろのろになります。

そこで、よ・う・や・くディスククリーンアップの登場です(長かった…)。

ワードが強制終了しても作成途中を復元してくれたりするでしょう?

IEでオフライン作業しててもページがちゃんと表示されるでしょう?

実はこれらは全て、パソコンの奥のほうに保存されているのです。

これをごっそり削除するのがディスククリーンアップなのです。

これで大体700~800MBは空き容量を増やせますね。

(ホントはこれ使わなくても手動で削除できるけどね)

(4)ディスクデフラグ

パソコンというのは、データを保存する場所が一つが何MBとかの区画ごとに分かれていて、データを読み出すときはその番地を頼りに読み出すわけです。

最初は空き地が多いので適当に一連のデータを一塊に保管して置けるのですが、その内番地が埋まってくると一連のデータをいくつかの断片に小分けして離れ離れに保管せざるを得なくなります。これを断片化と言います。

当然、断片化が進むと離れ離れのファイルを探して繋げての作業がややこしくなるのでパソコンの処理が遅くなります。

また、仮想メモリはある程度のまとまった空き地が必要なので、断片化が進むと仮想メモリに入れるファイルまで小分けせざるを得なくなったりします。

この状態を解決するのがディスクデフラグツールです。

断片化したファイルを見つけ、番地の再配置をやってくれます。

これは結構重要で、残り容量が3分の1を切ると1ヶ月に1回はやった方がいいです。

実行するにはパソコンのCドライブやDドライブを右クリックして、「ツール」を選び「最適化」をクリック。後は見ての通り(手抜き)。

ちなみに、ディスクデフラグを実行するにはそのドライブに15%以上の空きが必要です(引越しするにもその間の仮住まいが必要だからね)。なので、ハードディスク40GBだったら、実質は34GBまでしか入れられません。それ以上入れるとメンテが面倒なんです。

(5)無効なレジストリの削除

これは…レジストリというのは、パソコンの設定の根幹となる文字列が書かれたファイルで、下手にいじるとどうしようもなくなる恐ろしいやつです。素人は触れません。

しかし、このマイクロソフトのオンラインツールはそこから無効なツールを分析して見出し、削除してくれます。

つまりは無効な設定を読み込もうとしなくなるので、心なしか動作が速くなるかもしれません。

(すいません。よくわかりません)

…という大事なんだけど、誰も教えてくれないパソコンの基本的なメンテナンスが一手に、しかもパソコンの仕組みも勉強せずにお手軽に出来るわけです。便利です。

でも、勉強すれば全部手動でできる…っていうか、これまで手動でやってた苦労はこれから先のみんなは味わわないわけね…羨ましい…。

ちなみに、ソフト的なメンテはこれで結構大丈夫だけど、ハード的なメンテも重要よ。特にデスクトップタイプは。

エアダスターかけて埃を吹き飛ばすだけで速度上がったりするもんなぁ。(←恐らく排熱効率が上昇して機能が向上している)

パソコンも道具。メンテが大事です。