風の強い日

今日は風が強い。

そして、遠景がほの黄色く霞んでいる。大陸からの冷たい風が黄砂を運んで来ているのだろう(明日の朝は目やにが多くて目が開かんな、コレでは)。

風が強いと心までもが遠く飛ばされそうになる。遠く、街を越え、遠く、海を越え。

そうしてこの黄砂のように、見知らぬ地に降る。

そんな空想。

旅心とはこれを指すのだろう。風と共に人をさらう。旅心の前に人は塵に同じ、灰に同じ。ふうっ、と吹かれて飛んで往く。とりわけ、何かに燃え尽きた人などは特に。

そんな事を想う日暮れ前。

でも僕は風の民と言うよりは、森の民だからそう簡単には飛ばないけど。