習性と職業病とゲーム脳と呼ばれるもの/思索
ふっと見上げた時に、ジャンプして手が届くか届かないかくらいの高さの目標物を発見すると、反射的に飛びつこうとしてしまう。
そこではっとして踏みとどまれば良いけれど、そこで衝動に従ってジャンプしてしまうと胸ポケットから眼鏡やら携帯電話やらが飛び出して結構大変な事になってちょっとヘコむことになる。
これはバスケットボール部時代に身に付いた習性。
身長160cmなかばの僕にとって、バスケットボールのゴールのリングはジャンプして届くか届かないか、くらいの高さだったのです。
それで、「今日は届きそうな気がする」とゴールを見るたびに挑戦してきた日々が、何となくバスケットのゴールに近い高さの物に飛びつくという習性を僕の脳みその奥の方に刻み込んだのです。
習慣が習性になった…パブロフの犬です。
ちなみに、身長140cm後半だった中学生の頃はボードに中指の第一関節が届くのがやっとでしたが、身長165cmになった高校の頃はちゃんとリングに指の第二関節くらいまで届くようになりました。
…今は体力が落ちてボードにすら届かなくなってしまいました…もう一回鍛えなきゃな…(汗
これと似たものに職業病ってありますよね。
例えば、僕は景観やまちづくりをやっているので、いい街路いい橋梁いいストリートファニチュアを見かけると即写真。歩道の幅、横断防止柵や車止めの高さを測り、アイストップやランドマークが気になって仕方ない…みたいな。
高々三年の修行でこんなに身に染み付いちゃうんですから、習慣って恐ろしいですね。
…と、ここでふっと連想したのが最近問題になっているゲーム脳。
自キャラに害を与える敵キャラに条件反射的に手持ちの武器で対応するゲームで、この“パブロフの犬”的状態になると確かに危険な気がします。
現在流布している「ゲーム脳」という語は、「脳の病気」かの如き主張が為されているようで、全く信憑性に欠けます(Wikipedia「ゲーム脳」参照)が、「コンピュータゲーム思考」と言うのならありうると思います。
しかし、それを短絡して全ての“戦うゲーム”を禁止するのは早計と思います。
要は受け取る側の問題だからです。