夢日記060101
■Jan.1.Sun
コンビニに入った。
このコンビニは平均的なそれよりも倍くらいの面積がある。通路も車椅子が通れるくらいの余裕を持った設計。天井まで大きくとられた広い窓が店内の開放的な印象を更に強めている。
僕は窓側の通路を進んで雑誌コーナーで立ち止まる。週刊モーニングを手にとって立ち読みしようとする何気ない動作―しかしその一秒に満たない動作の中で、僕の右目が視界に捉えたものに脳が警告を発する。
誰かが僕の右横に、僕に正対するように立っている。
広い通路だから僕が通行の邪魔になっていることは無い筈だ。
(何だ妙なヤツだな)
そう思った僕は、雑誌を手に持ったまま、体も彼に対して横を向いたまま、顔だけをその謎の人物の方へ向けて見た。
その人物は男だった。男だ。不気味な男。奇妙に赤い唇が三日月のような弧を描いて釣り上がって不気味な笑みを見せている。瞳は僕の方を見ているが、僕を見ているというよりは僕の奥に何かを見ているようで、焦点は遠くに定まっている。
僕は困惑する。何も言えずにそのままの姿勢で立っていた。男の発言を待っているようだが、心の中ではやっかいごとを拒否したいと思っていた。
しかし嫌だと思ったのがきっかけとなったのか、意に反して男は身の上を朗々と語りだした。
要約すると、彼はヴァンパイアとヴァンピールの間に生まれた純血の吸血鬼であり、虐げられてきたので復讐としてこの町をこれから血祭りにあげるのだ、と言うことだった。
>しかし、彼がそれを実行する前に目覚まし時計で目が覚めてしまいました、と。
正月早々に血の惨劇を見せられてもこっちが困ります。
今年は良い年にしたいですからね。伝統的には明日が初夢の日ですから、とびっきり縁起の良いのをお願いしたいもんですね。