夢日記051231

■Dec.31.Sat

ここは大学の構内みたいな所なんだけれど、少し雰囲気が違う。全く違う組織の建物。

どこか薄暗い。内装が全体に灰色がかっているからだろうか。しかしそれだけではない気がする。

そこの一室がこの組織の事務を管轄する所、事務室である(何か大袈裟な描写だけど、大袈裟に書くだけの秘密組織的雰囲気があるのだ)。僕は今その事務室に忍び込み、何らかの機密書類を盗もうとしているのだ。

そこにわずかな罪悪感があるのは、その事務室には僕の女友達の一人が勤めていて、そのコの引き出しも覗かなければならないだろうからだ。

僕はドアの隙間からその中をそっと覗き込もうとする。

するとドアが突然開いて、フレームが目尻に向かって釣り上がった典型的なザマス眼鏡を掛けた女性が現れた。一瞬その友達が出てくるかと心配した僕は、びっくりして会釈を交わすので精一杯だった。その様子はかなり不審だったと思うのだが、彼女は怪しむ様子もなく「今日は終わりですから鍵を掛けますよ」と僕に告げた。

僕は気になさらずにとか何とか言ってごまかそうとした。彼女はそんな未だにしどろもどろな僕など無視して事務室に鍵を掛ける。

僕は馬鹿みたいにじっと突っ立って、黙ってその様子を横で見ていた。

彼女は視線に気付き、ここで初めて不審とも軽蔑とも取れる目線を僕に向けたが、すぐに背を向けて階段へと歩き去っていった。しゃんと伸びた背筋が冷徹で自分の事以外に興味がない事を示しているようだった。

僕はほっとして一息つき、そのハイヒールの甲高い靴音が完全に聞こえなくなるのを待った。

静寂。

僕はそっと事務室の鍵を開けた(どうやって開けたかは夢なので不明だ)。足音を忍ばせて内部へと潜入する。後ろ手にドアを閉め、右手で最初の机の引き出しに手を掛ける。そろそろと引き出した抽斗の中に、いきなりビンゴ、目指す書類が見つかった。

それは立体データを伴った地図だ。

それは特殊なアイテムで、表から見ると数秒間の空撮の動画を示し、裏から見ると鳥瞰的に三次元の地形データを示す。こいつが軍事的に重要らしい(どう重要化なのかは夢なので不明)。

しかし航空写真を見るに、そこに写っているのは奇妙な沼だった。

二つの円がくっついたひょうたんのような湖岸の沼で、深みは二つの円のそれぞれの中心にピークが同程度の深さで存在している。

しかし何よりも目を引くのはその沼の色だ。岸の近くは深緑色なのだが、沖に行くにつれて最初は黄色へと色相を変えていく。その色相の変化が進み、沼が鮮烈な黄色という自然界の水の色としては不自然極まりない色になると、そこから先に沖へ行くにつれては彩度の低下が進み、遂には池の中央で水は濁った黒色となってしまう。その不快な色はさざなみと共に微細に交じり合いながら、それでも全体的には交じり合わずにたゆたっている。

それは人為の疑いを持たざるを得ない姿だった。

>なんだか薄暗くて嫌な感じです。書いたら忘れます。