魅惑の底なし沼
2時2分。
研究室の自分のデスクに向かっているのは、明日がゼミだからだ。
そして机の上は散らかっていて、整理された何がしかの成果物など一つも無い。
僕の論文のテーマはコミュニティ・プランニングであるのだが、どうもこの分野はかなり議論され尽くした感があるらしい。
たとえそこに市街化調整区域型地区計画というオマケが付いた所で、その本質的な問題は揺ぎ無いと想像される。
では、その問題を解決するにはどうすべきか?
これを考え始めると、どうも土木の範疇から離れていってしまって、泥沼にはまってどうしようもなくなるのである。
オソロシや、オソロシや。
行政の全く底の知れない泥沼が土木の分野にはポコポコ開いていて、あらゆる議論や理論を喰らい尽くしているように見える。
これは僕がまだ現場を知らないからだろうか?
むしろ底無し沼が現実なのではなかろうか?
そう、疑惑を持ってみる。
さて、今僕の2mほど後ろにも一種の底無し沼がある。
後輩が机の上に置いて帰ったものだ。
その名は“リリー・フランキー著『東京タワー』”。
読み始めたが最後、抜けるに抜けられぬ底無し沼となりそうです・・・。
こっちの沼には、はまってみたいかも・・・。