2005-09-18 クダケ・チル/散文 文散 砕け散る。 甲高い音。響く悲鳴。流れる涙。 激しい痛みに心臓が貫かれ、破れ、血を、噴き出す。 思わず、胸に何かを抱くように体を折り曲げる。 しかし庇うべきものは無い。 心の蔵は砕け散った。 体内に分厚い肉片が散乱する。 口を開くが血は流れない。 乾いた悪寒が舌の上から転がり出る。 感覚が飛び散る。 其処彼処に散らばって、地面から僕の残された部分を見つめる。 前頭葉が黒ずんでいく。 視力が閉ざされる。 世界が黒く終わる。 後頭部に感じる不快な熱だけが最後に残っているが、 それもいずれ消える。 自分という活動が停止する。 自分に知覚されていた世界も停止する。 全て、停止する。