僕と電話

電話は棒高跳びだ。

棒を用意して、それもできるだけ長くてしっかり作り込まれた物が良い。

じっくり何が目的か、どういう論理に基づくのか、会話の展開はどうするか・・・ようく考え、しっかりと下準備が必要だ。

スタートラインに立ったらまず深呼吸。受話器、しっかり持ってるよな。

心を落ち着けろ。メモを手元に。

そして助走が始まる。

助走は長くても短くてもいけない。適度な距離が大事だ。

助走の間に「跳ぶんだ!」という気持ちを固める。

長いと疲れる、短いと力無く落っこちる。

相手が電話を取った瞬間が棒を地面に突き立てる時。

ぐぐっと力を篭めて飛ぶ。棒の作りが十分ならばぐぐっと僕を支えてくれる。

目標のバーまで届くか否か。どっか引っ掛けたらバーは落っこちて失敗。

着地なんてどうにでもなる。

地力の他の、棒と助走が重要なのだ。

あ、失敗した。