乖離性ではないが、まあ、遁走中である。 ささやかな逃亡。 されど大迷惑。 それで益する者など僅かに一人…それも巧くすれば、の話。 確率は万に一つ。 困った奴だな…我ながら。 どうもご迷惑お掛けします。 存在自体、悪。 …なんてこんなに確かに思うのは久…

いつかこうなると思っていた。 半年前にも見えていた。 いや、一年前にも薄々予感していた。 いろいろなえにしがほとけて孤立する一瞬。残された唯一本のいと。 絶望的に細い。細くても構わないと思う。死を見つめて来たからこそ、それを好み、それを恐れる…

薄暮の都心。 病院らしき場所。 救急車が走りこんでくる。 僕は家に電話をして居場所を告げる。