定額給付金と雇用対策について/種々雑感

思考のリハビリ。

定額給付金は小さな視点と大きな視点での金銭感覚が伴っておらず、それだけで現在の自民政権の不見識を伺わせる。

小さな視点とは、一人当たり1万2000円が家計の起爆剤になりえない、という点である。

貯金する人も多いのではないだろうか。

大きな視点とはその総額約2兆円及びその配給に伴う多大なる事務に掛かる人件費をどうみるか、という点である。

地方行政団体は財務状況の悪化により人員を減らしているが、業務事態はハイテク化により複雑化している。ここに新たなる事務が重なることで既存のサービスに影響を及ぼす可能性がある。

総額については、例えば先日、進む派遣社員切りなど、非正規雇用の失業対策として3年間で2兆円の雇用創出事業を行うと決定した。額は奇しくも同じ額であるし、そのお金が国民の懐から税金として入り、国庫からまた国民へ還元されるという構図は同じである。

しかし、雇用対策が明確にその低所得層を対象とできるのに対して、定額給付金は事務的手続き上の問題からそれが困難である。そこに生じる不公平感は解消しがたい。

なにより雇用創出は治安や人心の安定をもたらす。生活の安定が精神の安定をもたらして仕事の質を保証する。失敗しても再起の可能性があれば人は大きな挑戦ができる。

3年間で2兆円の支出で140万人の雇用が保障できると試算されているが、これが4兆になれば280万人の雇用が創出できる。そういう想像を国民が出来ないと思っているのだろうか?

国民はもっと効果的な使い方があるのではないかと疑っている。

このように定額給付金という施策には大きな追求すべき点があり、自民党政権には庶民の視点も無いし為政者の視点もないとみることができると思う。

そして第一野党である民主党も問題点を突かないばかりか、効果的な提案を政府に対して為さずしてままならない現状を指摘し総選挙をせよとせまり、それによって巧遅よりも拙速が望まれる現状で自民党の足を引っ張っている。

この現状への不見識からして、民主党も与党として適性を持っているとは思えない。

ふぅ。ほどよく疲れる。

内定取り消された人を雇用した会社に奨励金100万円を出そうかとも言ってたよ、昨日。

事務をやったことない人間の発言だとつくづく思う。

内定取り消しの確認をどうやってやんのよ?あと、一年で解雇とかもありえるじゃない。

そういう表面的な発想しかできない人間だからこそ、政界で成功できるのかもね。

政治家って根回しとか人脈構築がすごく有効で、政治を勉強するよりはそっちが重要らしい。よって、勉強よりも対人活動に時間を使いまくれる人間が勝てるとか。

非正規雇用の対策については、「非正規雇用は切りやすいかわりに給料が高い」となるようなシステムにすることが一番大事。現状は「切りやすいし、コスト(紹介料+給料)が安い」だから非正規雇用への切り替えが進んでいる。あるいは、非正規雇用を一件抱えるごとに会社が払う雇用保険料が大幅増するとかね。(←雇用保険制度に詳しくないからあてずっぽ発言ですけど)

非正規雇用が低コストなのは、日本の家族企業体質から見て派遣社員の給料が正社員よりも高いと反発が強まるから、ってところだと思う。けれど、派遣社員の給料が安いことで正社員から派遣社員への切り替えが進み、総体的には正社員のつまらないプライドが正社員自身の安定を損ねているのだと思う。ここ数年で派遣社員の窮状は知れ渡ってきたし、制度をそういう方向に舵取りしてもいいころだとおもうけどね。