『機動戦士ガンダムOO』第一期/アニメ感想

機動戦士ガンダムOO』の感想です。

Gyaoで1話と3話と7話、20話~最終話を観賞。

間のストーリーについては公式あらすじおよびMAD「武力介入できないシリーズ」で(脳内)補間。

ていうか、MAD「武力介入できないシリーズ」がきっかけでGyaoで1話と3話をチェックした。

序盤はあまり積極的に見る気力が湧くようなものではなかったが、後半が良かったので20話から毎週時間を取るようになった。

前提として話しておくと、僕は旧作のガンダムはほとんど見ていません。

小学生の頃にF91の映画があって、Gガンダムを5話くらい、Vガンダムを半分くらい、Wは全く見ておらず、SEEDにはがっかりさせられ、種死には絶望した、という感じです。

ガンダムへの親しみはほとんど武者頑駄無ナイトガンダムなどのSDガンダム系を通じたものです。

それらを通じたり、種々の解説本などでストーリーは把握していますが、「ほとんど見ていない」というのが正確な表現ですね。

…ってか、『OO』も半分も見ていないのか…。

ま、そういう感じでライトな視聴者ということです。

以下、ネタバレ含む感想。

SEEDよりかは面白かった……のかな?

半年後に26話分のストーリーを残しているということもあり、主人公の成長が不十分に感じるなど消化不良な部分が大きいかな、と思います。しかし、それはこの製作方式の欠点ですかね。半年引っ張るというのは脚本家にとってはどうにも難しいことではないでしょうか?

人死についてはこんなもんかな、という感じです。クリスについてはもうちょっとフェルトに絡んでもう少し死亡フラグ立てといても良かったかとは思いますが、そのためには終盤に時間的余裕が足りなかったかなと思います。それにリヒティがクリスの巻き添えってのは予想できてたけれども、彼の成仏ためにももうちょっとクリスとの絡みがあって良かったのではと思わなくも無い。ラッセは死んでも特に感慨が湧く状態では無かったですし、生かしておいたほうが新キャラ出すよりも楽だったのではと思いました。

最後に現れたグラハムについては、彼の出現にリボンズが絡んでいることを示唆する描写があれば納得できたと思うのだけど、そういう描写が無かったからすごく唐突に感じた。それから、グラハムの主張は変節としか思えなかった。阿修羅を凌駕した日はガンダムへの「愛」ではなくて市民のために怒っていたと思うし、そこが視聴者に受けたのだと思うのだけど……。この兵器への執着という論点はここまでサーシェスがよく体現していたと思うのです。そして、サーシェスとは異なるライバルとしてグラハムがあった。しかし、兵器への執着という点でグラハムもサーシェスと同質である。それを刹那は断つのだ!という展開ってことなのだろうか?

こういう風に冗長な後解釈が必要ということは描写が足りなかったってことではないのかなぁ?

そして、そういう終盤の「急ぎ足」具合は、結果論として序盤の展開がゆるすぎたというところに帰せざるをえないでしょう。現に、序盤はあまり面白く感じられなかったのだし。

物語を展開する技術としては、アニメに限らず小説や漫画においても、序盤に急速な展開を持ってきて読者を作品世界に引きずりこみ、終盤に伏線としてちりばめておいた登場人物の個性を深く掘り下げて共感を誘う方がよい印象を与えるのだと思います。

その意味で序盤のゆるさが惜しかったな、と。

グラハムが「仮面の男」になったのは、まあ、予想通りなので納得っちゃあ納得なのだけれど、最後の主張が意味不明だっただけに、第2期で物語を不必要に書きまわす存在になっていそうで怖い。

(どーでもいいけど、コーラの生存を確認できたのは嬉しかった)

沙慈とルイスについては、同時代人としての一般的視点をいまいち提供できていないのが残念でした。第二期では核心に絡んできてしまいそうだし(追記:あ、姉の存在があるからあながち一般人ではなかったのか)、非権力側の一方であるテロリズムを扱う以上、テロリズムとも権力機構とも無縁な一般人の描写は重要だと思うのだけれどねぇ……。

まだ物語が終わったわけではないのであんまり書くことが無いですね。

刹那もまだ「何故ガンダムに乗って戦うのか?」という所までしか到達しておらず、「どうやったら戦いは無くなるのか?」については「戦争の道具を断つ」っていう感じですか。それでは視聴者はもやもやしたままと思います。

後半では、ソレスタル・ビーイングの正体も含めて、その辺が明らかになる展開だといいなぁと思います。

枝葉に関して触れておくと、

半年空けて第二期をやるということで余力があったせいか作画は安定していたと思う。

正直、僕は作画は二次的な要素(物語が一次)だと思うのだが、製作側が「TVよりも高画質なDVD」を売りにしたいということもあって作画がある程度安定する事が必要条件であると業界は考えつつあるようだ。

機体デザインは最初は抵抗があったが次第に慣れた。

特にフラッグはグラハム・エーカーが阿修羅を凌駕したシーンで俄然イメージが良くなった。結局、愛着というのはデザインではなく思い出に宿るものだなぁ。

全体に華奢なデザインだがこれも時代的なデザイナーのセンスだろう。『天元突破グレンラガン』とは目指す方向が真逆といった感じだが、それは『天元突破グレンラガン』が古きよき「根性ロボット」のリバイバルを狙ったのに対し、『機動戦士ガンダムOO』が旧作を超えた新しい世紀のガンダムを目指そうとしたという、コンセプトの違いが反映されてのことだろうと思う。

最後に、後生ですから第二期をネット配信するときは一週間後ではなくて直後から配信にしてください。

ネットサーフィンしてるとニコニコ動画以外でも個人サイトやらブログやらで思わぬ瞬間に大小のネタバレに遭遇してしまい見るモチベーションが減退します。

今の一周遅れの配信は誰にも得が無いと思いますがどうでしょうか?

(追記)

地方での遅れ放送もあるのか……でも、地上波で見る層とネットで見る層って被ってないと思います。録画も発達してますし、今更あの調査方式の視聴率は時代遅れと思っています。

コードギアスの第二期も視聴率取れなかったみたいですしね。

(追記終わり)

以上。

ま、ほとんど中身は無い感想かな。