未来/夢日記

DATE=080314.fri

僕は襤褸を着て町をさまよっている。

今日は会社に就職の面接を受けに行った。

みなりを蔑むような視線が突き刺さる。

履歴書を一瞥した面接官が何ができるかと問うた。

俺は何かができると思って面接に来たのですが?と逆に訊き返した。

面接官が君はそんななりでやる気があるのかと問うた。

今はありませんが働き始めればそれなりに誠意を見せますし、何よりこの給金で与えられるような仕事には十分に答えられると考えます。俺はそう答えた。

だとしてもそれを一貫した態度で示さねば我らとしては判断しかねる。面接官はそう断じた。

俺は会社を追い出された。

町行く人が俺を罵る声が聞こえる。

臭い、不細工、見ていて不快だ、何故あんなのが生きているのだろう、社会のごみ、怠惰、無能、キモチワルイ、不気味、犯罪者、近寄るな、キモイ、不愉快、愚図、ヰチガイ、社会の寄生虫、緑の救急車が必要な人、ウザイ、怖い、カワイソウ

それらの声が残響して脳内に反響する。

頭骨が共鳴して震え、視界が回る。

死ね。死んだら?死ぬ。死ぬとき。自殺は?死ぬべき。

いや、もう死んだも同然だな。

臭い、不細工、見ていて不快だ、何故あんなのが生きているのだろう、社会のごみ、怠惰、無能、キモチワルイ、不気味、犯罪者、近寄るな、キモイ、不愉快、愚図、ヰチガイ、社会の寄生虫、緑の救急車が必要な人、ウザイ、怖い、カワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウ

死だ。死が必要だ。どうした?どうしたと言うのだ?

これは夢だ。苦しい。苦しいのに何故目覚めない?

高熱にうなされているのだ。

体力を消耗して弱気になっているのだ。

しかし、しかし俺が社会的無能者であるのは事実だ。

くだらなくて、無益で、価値の無い、死んでも死ななくても同じ、そんな、ゼロのような、無意味な、空虚な、存在。(キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ)違う。弱気にならないと決めたのに。どうして、どうしてまたこんな?(死だ。死。死だ。死死だ。死死だ。死死死死死死死死)痛い。ああ、いつのまにか頭をかきむしりすぎて血を出してしまった。血だ。赤い。赤い血だ。赤い死だ。あああ。(死だ。死。死だ。死死だ。死死だ。死死死死死死死死)何日も風呂に入っていない浅黒い肌。塵と汗の塩で白くなったスーツ。伸び放題の髭。黄色い瞳、歯。臭い。それに血の匂い。

ああ、夢なのに。夢なのに、覚めない。覚めないのは現実に近いからか?これが現実になろうとしているからか?これが現実なのか?これが現実でもいいや。夢からずっと出なくてもいいのならば、こんな夢が現実でもいい。

違う。俺はここから脱け出すと誓った。

嘘だ。誓いなんてすぐにふっとんだ。生活リズムは保てず、創作は継続されず、禁欲も成されず、ただ享楽を続けた。おれはくだらない。禿げるよ?禿げるさ。ははwハゲwwハwwwゲwww(キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ)あぁ、あははww聞こえる?ああ、ずっと聞こえる。俺を非難する声。見える。見えるよ。軽蔑する視線。知ってる。知ってるよ。これは俺が作った幻影。俺の俺自身に対するイメージ。俺しか俺を見ていないし、俺しか俺を軽蔑していない。

ただ、無関心なんだ。

そうだよ。だから夢なんて覚めずに、このまま死んでしまえばいいのに。

ああ、熱い。苦しい。喉が、喉が焼けるようだ。どこなんだろう?夢なんだろうか?現実になったのだろうか?夢だ。夢のはずなんだ。そしてこれはただの気の迷いで、目覚めたら俺はこんな弱気な俺を笑うはずなんだ。なのにどうして俺はこの地べたにうずくまって……死……

(以下略)

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未明の4時くらいに目を覚ました後は蜿蜒11時までこの夢にうなされっぱなし。

途中深い眠りに落ちた事もあったけど、浅い眠りに戻ったらまた罵声。

赤い血とか黄色い汁とか出てたな。

まあ、そんなもんだ。人生っていう物は。自業自得。

インフルエンザって怖いねぇ。