カンヅメ/創作日記
物事の感じ方は日々変調してなかなか同じに感じられない。
特に創作物は自分自身の感性の発露であるがために、そのギャップを強く感じてしまう。
数日前の続きを書こうと思ってテキストファイルを開き、書き始めようとするとその前段が気になって仕方ない。
違和感を感じるのだ。
だからそこをいじる。
するとその前の段落との整合性が気になり始める。
そうやって蜿蜒と遡ってしまう。
だからなかなか前に進めない。
空気が違うんだ。
数日前に描いた空気と今日描きたい空気、それが違ってしまっている。
何故変わってしまうのか?
作品のイメージが固定できておらず、作品に自分を合わせる事ができていないのだろう。
そして、作品の主役が換わろうとしているからというのもあるだろう。
元々は死者を中心に取り返しの付かない事件を描き、老刑事がただ事件を総括するだけという筋だった。
しかし、僕に心境の変化が起きたせいで、若い刑事が加わり、そして彼の成長が一つの主題になりつつある。
それは自分自身の成長が反映されたものかもしれない。
そのプラスが暗い作品の明度をあげてくれるような気がして、そしてそれが自分の変化の表れだと思えるのがうれしい。
とても楽しい反面、なかなか進まないのが苦しかったりもする。
だが、こうやって心情に振り回されていると本当にいつ完成するか知れたものではない。
世に「カンヅメ」なんてものがあるが、外界からの刺激をシャットアウトして感情のブレを無くして書くと言うのは、実はとても創作の効率を上げるのではないかと思った。
だが、僕は未熟なので進歩を必要としている。そのためには外界からの刺激が必要である。よってカンヅメになっている場合ではない。
今はまだカンヅメになるメリットよりも変化するメリットの方が上だと感じられる。
今起きているこの変化が安定すれば、その時、そのタイミングを掴んでちょっとしたカンヅメを実行するのはアリかもしれないけど。