急病人/夢日記

■071213.thr

デートの約束をしていた彼女から電話が掛かってきた。

「あぁ!ようやく掛かった!今電車の中なんだけど、妊婦さんが苦しそうにしてるの!ねえ!?一体どうしたらいい!?」

どうやら地下鉄の列車内から掛けているらしい。

「あまり動かさないほうが良いかもしれない。今どの辺だ!?」

「えっと、室見と藤崎の間!」

「解った。駅員さんに伝える。それから、俺もそっちに向かうから!」

「あ…ブツッ」

電話はそこで切れた。

俺は駅員に事情を話し、西新駅に担架を用意してもらうことになった。

そして下り列車に飛び乗る。

西新駅に着くと、ちょうど妊婦さんが運ばれてゆくところだった。

涙目でその行方を見守る彼女にそっと声を掛ける。

「大丈夫だよ、きっと」

「うん…でも、心配……」

彼女はちょっとこちらを振り返ったが、また妊婦さんが運ばれていった方へと顔を戻した。

優しい、いい娘だ。

□ □ □ 

…あれ、誰だ、これ?

おかしいな…見てるときはそんなこと思わなかったのに、なんかちょっと悲しいぞ…あれ?