捜人記/夢日記

■071026.fri

公園に佇んでいた。

後ろから父が声をかけた。俺は振り返る。

父が言うには、明日佐賀から遠縁の親戚がやってくるらしい。その壮年の親戚は人捜しを手伝って欲しいと言っているそうだ。それで、父は俺に一緒に行ってやってくれと頼む。俺はゼミを理由に断ろうとしたが、結局押し切られてしまった。

そして翌朝。

8時にその親戚のおじさんはタクシーでやってきた。俺はタクシーに乗り込む。

俺は早速手掛かりについて訊ねた。おじさんは語る。

尋ね人はおじさんの恩人であり、世話になったのは松山でのことだったそうだ。

それで、まず松山までどうやって行くかという話になった。おじさんはそういうことを一切考えていなかったらしく、うんざりした。話し合いの結果、福岡空港から松山空港までひと飛び、と決まった。

松山。

その恩人は海運を生業としていたそうで、姓は山崎だとのことだった。

それで海側へ出てみたが、手掛かりはない。タウンページをもとに山崎と名の付く会社に当たってみたが全て空振りに終わった。

そこで俺は事情通を探すことにした。

どこの町にも顔の広い人物はいるものだ。

そして、彼の情報から十年前までは確かに海運から身を起こして商売を拡大していた山崎商会が存在したことがわかった。そして十年前、先代社長が亡くなり娘が跡を継いだこと、その際、社名を変更し、海外家具を扱う会社「Ltd.inc」となったことを教わった。

会社はいかにも海外家具を扱いそうな、黒を基調にスカイブルーをアクセントとしたシックなビルにテナントを構えていた。ゴシック体で大きく記された社名が目を引く。

社長室は社員の部屋と透明なガラスでしか仕切られておらず、三十代前半の美しい人の姿が遠目に確認できた。

恩人は既に亡く、彼女はわずかな名残に過ぎないだろう。しかし、何にせよ俺の仕事は終わったのだった。

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タイトル負けしとる…