ハイミー/daily

スイミーではなくて。

ハイミー。

帰宅したら冷やご飯しかなく、おかずも無かったので、チャーハンにしようと思いました。

冷蔵庫を見たらたまねぎが半玉あったので、その半分の四分の一玉を加えてたまねぎチャーハンで腹を満たそうと考えました。

刻んで炒めて、さあ、味付けと味塩コショウの容器を手に取りました。

そして、振り掛けました。

白い何かを

その時、確かに時は止まったと思う。

チャーハンの上に得体の知れない粉がたっぷり降りかかっていました。

こんなの見たことねえ。

見た目はヨーグルトに付いている砂糖みたいでした。

まさか、砂糖であるまいな……?

過去の悪夢が脳裏をよぎりました。

僕は、不安に思いながら、それを指ですくっておそるおそる舐めてみました。

(゚д゚)マズー

うまみのある甘みと言うか、とにかく、指ひとすくいでも大量に感じるほど微妙な味付けに使われるものと思しき味。

というか、直感的には「これは毒だ」と思った。

そんな台所の異変を聞きつけた父曰く。

「あ、お前それ、ハイミーだぞ」

「は?ハイミーズ?」

「ハイミー。調味料。あーあ、こんなたくさん入れて、ちょっとしか入れないもんだぞ」

チャーハンは激マズになり、僕は寂しくカップめんを食べました。

カップめんを食べながら僕は、10年前に「シオ」と書かれたビンに入った砂糖のことを思い出し、やっぱりなるべくキッチンには立つまいと心に誓ったのでした。