ふしぎの海のナディア/アニメ感想

ようやく「Gyao」でナディアを全話見ました。

…正直な所、ちょっと期待外れだったかな、と思いました。

23話から34話までは特に苦労して見たという感じがありましたし、最終話でももっとジャンとナディアに活躍して欲しかったです。

地上波放送時は小学生4年生だったんですけど、ノーチラス号好きだったなぁ。確か、『海底2万マイル』を読んだ直後か読んでいる時か、くらいだったと思います。メカが好きだったんですよね……。

何故か最終話付近を見逃してしまっていて、ニューノーチラスを一度も拝むことが無かった。その15年間を取り戻すんだ……と気負いすぎていたせいかもしれません。

それにしても、ちょっとしょぼーん。

大人の事情があったのかもしれませんけど、23話から34話の展開は長すぎるし、ストーリーも錬られて無いし、作画はおかしいし……カオスでした。25話「はじめてのキス」の後に32話「ナディアの初恋…?」があるってのはどうだろう?とか、はしかみたいなもんなんでしょうけどさ…ストーリーにキャラが振り回されている感じがしました。

いい作品は、キャラがストーリーを振り回していると思うんです。

そのストーリーに抗う姿が感動を呼ぶのだと思います。

その意味では、最終話でのジャンとナディアはやはり“振り回されて”いたかと思います。

何と言うか、少年少女がああいう大人の世界で活躍するのは難しいという現実は確かにありますよ、でも、そういう中でも少年少女が示す無闇だけど力強い明日への希望の表明みたいなのは、いつの時代も大人の胸を打つものだし、子供たちの心に響くものであると思うんですよ。

そういう熱い生きる意志を見せて欲しかったな……。それが生命だと思うから。

それがあると、子供のために命を賭ける大人がまた一段とカッコよく見えるんだと思うんです。

それでも十分、ネモ艦長を筆頭とするノーチラスクルーやグランディス一家はカッコよかったです。でも、肝心の主役がもう一つ目立たなかったかな、と。

設定やメカデザインは良かったです。

滅びた超科学文明とか遺伝子改造だとか…懐かしい。

ニューノーチラスはカラーリングだけ…というか、エレクトラさんのスーツといい、既にエヴァンゲリオンへの助走が始まってるという感じでしたね。

そしてアダムスキー型。ほんと懐かしいわ。

あとは、オマージュが過ぎると言うか何と言うか…最後の2話のタイトルもそうですけど、ゴンザレスの蒐集品の中にハクション大魔王の壷が混じっていたのは冗談にしても、M78星雲とかヤ○トっぽいとか…全編にわたって所々既視感が漂ってましたが、まあ、それもご愛嬌でしょうか?おもしろかったです。

う~ん…懐かしかったけど、完成度はあと一歩ってところでしょうか?

やっぱ名作品には名台詞が無いと。

印象に残らないんですよね……あんまし。

作品を代表する一言が出なかった、それが一番の減点だった気がします。

ラピュタだったら、シータの台詞「どんなに恐ろしい武器を持っても、

たくさんのかわいそうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ。」とかね、このセリフがラピュタの全てを表している。それが最後に来ている。だから、作品全体が引き締まる。

なので、ブルーウォーターがナディアの下でひとつになるシーンが、もうちょっと早く、何らかの形で全編を総括するセリフとともに出てきて、そしてガーゴイルの野望が潰えていたら、また印象は変わったかもしれません(そうなるとラピュタっぽさがまた増してしまうんですがね…差別や選民思想の愚かさとかを批判する?重すぎ?)

う~ん、なんか惜しい感じで収まりが悪いなぁ。