GORILLA/夢日記

■070814.tue■

亜熱帯の町―華僑が牛耳るチャイナタウンで二つの組織が抗争を繰り広げている。

飛び交う銃弾。

飛び散る血飛沫。

襲撃者二人を退けた俺たち三人は次に怒り狂ったゴリラに襲われた。

首輪をしているところを見ると、今殺した連中の飼いゴリラということか?

予想外の襲撃者に一瞬、唖然としてしまい一人が初撃を浴びてしまう。

二人で銃撃するも全く怯むことがない。

銃が効かないなんて、さすがは夢の中だな。

俺は初撃を浴びたやつを支えながら撤退をもう一人に呼びかけながら近くの建物へと逃げ込む。仲間がそれに続く。

ゴリラは意外なほどすばやくこちらを追いかけてくる。このペースではいずれ追いつかれるだろう。

自動ドアがいつもの倍の時間を掛けて開いている気がした。錯角なのは解るが、一瞬でも立ち止まって速度が鈍るのが惜しい。慌てて通り抜けたために仲間がドアにぶつかってうめき声を上げた。仲間はそれで気がついたらしい。もう一人の仲間も通り抜け、そして閉まる。これがバリアとなってくれるだろう。

ホールにいたるとエレベータは今まさに扉が閉まっていくところだった。

「待て!」

叫んだが扉が開くことは無かった。

舌打ちをしながら階段へと進路を取る。

階段を1フロア上がり、やつが通り抜けにくそうな狭い扉を探す。とにかく、体格差を利用して距離を取るしかない。

扉を2、3通り、2、3の角を曲がった所で振り返った。追ってくる気配は無い。

もう一つのエレベータを見つけたので、迷わず乗り込み下へと降りる。

これで臭いを追われることはないだろう。

逃げ切ったのだ。

車を呼び、無事に乗り込んだ。

仲間のうちに安堵感が漂う。

そうして俺たちは無事に事務所へ帰還したのだった。

数日後、俺は日本にいた。

あちらへは出張みたいなものだったらしい。

空港に着いたとたんに携帯が鳴る。

「もしもし?」

「あ、兄貴!大変だ!?」

「どうした?取り乱すな。簡潔に話せ」

「それが…ヤンが…!」

イメージが電話の向こうへ飛ぶ。そこは病院だ。入院していたヤンが殺されたらしい。無残にも首を捩り折られて。

そして、電話を掛けているホーの背後に二つの目が光った……。

□ □ □ 

最後の部分は半覚醒状態だったので、意図的に付け加えた感じがありますが、オチがつきましたってことで。

襲い来るゴリラの恐怖。

ゴリラってこんなにすばやい生き物なのだろうか?

温和なイメージがあるから違う気がする……