時知る/daily

眠りから覚めた寝床の中で、時計を見ずともおおよその時間は推測できる。

まず体の調子が推測の素となる。

体力の回復具合、頭の鮮明さは昨晩からどのくらいの時間を寝ていたのかを示す。これでおおよその時間が推測できる。

しかし、寝入った時間が正確に解らないために、より細かく時間を推測するにはもっと材料が必要だ。

次に参考とするのは光の強さ、そして気温と湿度である。

季節の感覚が生きていれば光の強さや気温・湿度は時間を推測する重要な要素となる。

ただ、この方法も春や秋だと決定的に有用であるが、夏や冬は少し勝手が違ってくる。なぜなら、春や秋は一日の気温の変動と太陽の動きがかなり相関しているのだが、夏や冬は日差しの強さ、気温、湿度ともに一日を通して高い(あるいは低い)ため、変化が小さくて時間変化を捉えにくい。

そこで、重要になってくるのは音である。

あらゆる生活音が時刻を知らせてくれる。

まず未明の静けさ。夜が明ける前の静けさは独特のものがあり、すぐそれと知れる。

鶏が鳴くのは夜明け前。

夏なら7時にラジオ体操が始まるだろう。

8時前後は通りを歩く人が増えてくる。

9時前後は割合静か。車やテレビの音と人が動いて床を叩く音が入り混じる。

10時台は車やテレビの機械音など、硬質な音がずいぶんと増える。

11時には、お昼に向けて空気が変わってくる。

例えば、昼ごはんを食べに子供が家へ戻ったり、各家庭で人がまた動き出す柔らかい音が混じる。

12時は比較的静かだが―太陽が南中するのでわかるので音はあまり関係ない。

13時。また子供が動き出す。

14時……これは解りづらいな。

15時は、めっちゃ暑いのでわかる。この時間に起きると冷や汗ものだ。

16時。あまり経験は無いが日の傾きでわかるし、なにより気温が……。西向きの部屋なので外から入ってくる風に対して室内の温度・湿度が高いのでそれで解る。

17時、買い物や帰宅の足音。この辺になると寝起きと言うより部屋にいて時間を知る術だな。

そんな感じで、家にいれば時間は大体わかる。

でも、外に出るとわかんないんだよな……

太陽の高さを見ようにもビルの谷間じゃ見えないし。

空の色ぐらいしか判断材料がねー。

街角に設置されてる時計を見つけるのは苦手。

変なの。