けつろん/daily

駅のホームで列車を待っている人の性別が一目で判別できなくて、目を引きつけられた。

顔はいわゆる馬面で、掘りが浅く、細目で唇も薄いためにのっぺりあっさりしている。肌は白いが化粧っ気は無く、長い髪は無造作に後ろでまとめられている。顔の印象と肌の肌理から見て、女性か?と最初思った。

しかし、服装は白地のTシャツに青いジーンズとある意味定番過ぎて却って珍しい組み合わせ。化粧っ気が無いことも加味してお洒落へのこだわりは無いのだろうと判断。背丈は女性としては長身の部類に入ると思われ、細身細腕だが肩幅はがっちりとしている。胸は無い。典型的な逆三角形と言えた。全身の印象は肩幅と服装から、男性?という異論が頭をよぎる。

はて、肌理は女性らしいが顔つきは中性的である。肩幅はいかつい。やけに猫背なのはそれを気にしてのことだろうか?などと思いつつ思案していると、観察対象が僕の前に並んで背中を見せる格好になった。

長い髪は染色等による傷みが見られない。キューティクルはきれいなものだった。

背中もやはり肉は薄い。腰は細いし尻も細い。言い方は悪いが盛り上がりに欠ける体型。しかし、全体に感じられる丸み、とりわけ腰回りから脚の骨格のラインは女性と確信させる柔らかみがある。

というわけで僕は女性だろうと推測に決着を付けたのであった。

…という、中性的な女性を文章で表現できるかのテスト。