Jump!/夢日記
■070212.mon-holiday■
ほこり臭い風が吹く街―乾いた静寂が街並みを覆っている。
このビルだけが他のどのビルよりも2倍以上高い。
見晴らしはいい。しかし、見渡す限りのビルの灰色に薄茶色で濃淡がついただけの景色はどれだけ見ても心は晴れないだろう。
窓―ガラスは無い。念のため―の外から室内へと目を転じた。
巨大な両開きの扉がある。
その周りで仲間たちが銃を構えている。
この中に…目的のものがある。
目配せの後に掛け声―「GO!」
扉の脇に控えた男によって扉が開かれる。
扉の前に二人が前傾姿勢から走り出す。
しかし、突入できなかった。扉の向こうに人影が立っていた。
「な…!」
意表を衝かれた全員が動きを止める。
「残念だったな!フリーザ様はもうここにはおらん!お前らのアジトを襲いに行かれたぞ!」
そう自慢げに宣告し、そしてドドリアさんは容赦ない攻撃を開始した。
「死ねぇ!」
瞬間的に(うわっ!こっち来た!^^;)と思いつつ、十字受けでガードする。しかし、そこはドドリアさんのパワーで押し切られ、窓際まで吹っ飛ばされた。窓から外へ飛び出しそうになり、咄嗟に壁を抱えるようにして体を止める。一瞬、目も眩むほど遠くに地面を見た。体勢を取り戻して吹っ飛んで来た方向を見ると、すぐ近くにドドリアさんが殺到してきていた。その瞬間に思いついた。
(ここはみんなに任せて、本命を追うべきじゃないか?)
そう思った瞬間に僕は窓から飛び降りた。
(大丈夫!アイツが出てくるような世界観なら必ず飛べる!孫悟空みたいに!飛べ!飛べ!)
しかし、体はそう簡単には浮き上がってくれない。
(まずい!飛べ!飛べ!…飛べないのなら…二段飛び降りだ!)
二段飛び降りとは、マンガでよくある「途中の階で一旦着地し、衝撃を半分にする」というテクニックである。それをやってみた。
(よっ…うおっ!)
始めから途中の階で着地することを想定して飛び出さなかったため、無理やり足を伸ばして庇を捉えようとしたのだが、当然うまく着地できずに却って体勢を崩してよこざまに回転しながら落下し始めてしまった。
(おおお!これはマズっ…)
そして、一階の少し広めの庇に墜落する。トタンの屋根がぐにゃりと曲がり衝撃を少し吸収したようだが、そのまま曲がった屋根を転がって地面に叩きつけられた。
「はごっ!!…(これはっ!ほとんどジャッキー!)」
夢なのであまり痛くは無いが、想定外だったために少しショックですぐには立ち上がれない。
しかし、何とか立ち上がって走り出す。
廃工場―そこが我々のアジトだ。
静かだ…まさか…
中に入ったが荒らされた様子は無い。しかし静か過ぎる。
はしごを登って階上へと至る。非戦闘員の女子供はみんな無事だった。
□ □ □
昔は簡単に飛べたんですけどね…
『フック』のピーターパンみたい。
マンガやジャッキーのようにはうまくいきません。
みんな、飛び降りは危険だよ!(苦笑