ホワエグ/daily

ホワイトカラーエグゼンプションの略ですね。

長いんですよね。直訳できないってのは理解できてますけど、日本語を考えましょうよ。わかりづらいんですよ。

「労働時間自己責任制度」とかが適当でしょうか?

システムとしては、本質的には以下のようなイメージでしょうか。

・実態として管理職は労働時間が定まらない。生産物の質を管理する立場にあり、トラブルが発生した場合等に責任をとらねばならず、完全に定まった時間を言えない。

・よって、雇用者から見ても被用者から見ても、既往の労働時間で決まる賃金制度がそぐわない。

・そこで、自分で労働時間を決められる替わりに仕事の内容のみで評価される契約に変更する。

・もちろん、リスクが多い業務なのでリターンである賃金も高くなる。

・健康管理については、自己責任の度合いが高まる(←これもリスクに含まれ、健康管理の手当ても内包されるべき)

しかし、この日本版については適用の条件で黒くも白くもなりそうです。

…まあ、穿った見方をすれば「経営者の集合から成る経団連が、労働者側に有利な制度を提言するわけが無い」ってことですけど。

経団連からの提案を平たく書くと、

「適用対象者を労働時間・休憩・休日・深夜業に関する規制から除外し、遅刻・早退・休憩時間に関する賃金控除無し。適用対象者については労働基準監督署に届け出る。適用する者の業務内容と業務内容に応じた健康への配慮については労使で定める」

という感じですか?

適用対象については「裁量労働制の従事者」、「法令に定められた業務の従事者」、「労使委員会の決議に定める業務の従事者」が「労使で定めるもの」以外にも言及され、年収要件も示されていますが、「労使で定めるもの」があって年収400万円以上とか言ったら管理職なら誰でも対象になりそうですね。

今の日本の(小説やドラマに描かれている)企業風景を見ていると、自分の健康管理のために休むとか通院するとか難しそうな気もしますし、過労死の増加は不安視されますね。

評価給もいまいち高いレベルでの信頼性は無いみたいですし、下手な制度にするとコストカットに使われて労働者を締め付けそうです。

で、その制度作る側が頼りないんだよなぁ……。

よって僕の態度は、反対です。一応。

ただ、本来的には単純生産業務の時間給に対する品質管理業務の能力給というのは正しいと思います。

下っ端は時間給で、中間管理職はホワエグで選択可、上級管理職は完全に能力給、というイメージですか。

理想通りになるには時間がかかりそうですけど。

(追記070116)

とかなんとか言ってたら引っ込められてしまいました。

法案提出は見送るようです。

曰く、「理解が得られなかった」とのこと。

ですが、政府の仕事は国益という中立の立場から、雇用者側利益団体からの提案に始まった今回の法案を、被用者側利益団体の意見に耳を傾け、両者の利害を調整しつつ最も国益に適う形で決着させることであったと思います。その過程で、被用者側の反対意見の背景だった過重労働の問題も俎上に登ったはずですし、労働時間の問題を考えるいい機会になったはずです。僕はそこに期待する点がありました。

それなのに、このような議論がまだ始まってもいない段階で手を引っ込めるというのはつまり、“経営側の提案した形では通りそうに無いので引っ込めた=政府は経営側の味方”と取られても仕方が無いのでは?

「経営側だけでなく労働側の意見も聞いて納得する形に仕上げたい」と約束することすらできないのですか?

もしそうなら安倍内閣の姿勢は間違っていると思います。