いきもの/daily

朝、出掛けに靴を突っかけたら、足の裏で蠢くものの存在を感じて咄嗟に足を引き抜いた。

皮膚感覚はかなりの長さを感じたが、家の中で靴の中に潜むような生き物といったら2種類しかなく、更に、足が入っても活きているとなるとそれは、特段に長い生き物ではない。

つまり、足の裏の皮膚感覚が鈍いために、足裏で高速移動したそれのサイズを正しく認識できなかったのだな、と思いつつ、靴を拾って中を遠目から覗き込んだ。その生態から考えるに、見にくいところにいるのだろう。

となると、手加減して床面に叩きつけて中にいるヤツを気絶させるしか無い。瞬間的に判断して、玄関のバルコニーへ靴を投げつける!

そしてヤツが飛び出す!

文句なしの手加減ぶり。ヤツはひっくり返って気絶(あるいは死んだフリ?)をしている。

止めを刺すのは容易かったがやめておいた。

朝一番から殺生というのは、いかにも幸先良くないからだった。