夢日記051217

■Dec.17/Sat

氾濫で水没する街を、ボートで行く。

雨は降っていないが空は曇っている。

世界は薄暗く、鮮やかさを失ってずっしりと沈んでいた。

乗っているのは僕と家族。

濁った水の上を手漕ぎボートが進む。

誰かが驚いて声を上げた。

その声に驚いて周りを見回すと、水面に幾つかの黒い塊が浮かんでいるのに気がついた。

それらは一見魚のように見えた。しかし、その図太い胴は人の胴体ほどもあり、水面に浮かんでこちらの様子を伺っているのを考えると、もっと別な厄介な生き物のような気がしてきた。

ボートは進み続けているが、それらはボートを取り囲むように浮かび、こちらと等距離を保って付いて来る。

付いて来るだけで何もしないのもまた、不気味だった。

そんな中、人の気配のする一軒の家を見つけた。

不思議に思う。なんだろう?あの人のいない家と、人のいる家を区別する人間の感覚は。

ガレージから中へ入る。

そこは勝手口のようで、すぐにキッチンになっていた。

中は薄暗い。窓が小さいからだ。

少しずつ進む。

食器棚と調味具が入った棚。その隣にシンクがある。

床は水に浸ったために幾らか凹みが出来ていたが、泥などの汚れは無かった。

部屋の中ほどまで来た時、部屋の隅に奇妙な形をした塊を発見した。

「物じゃない。生き物だ」と直感した。

闇に目が慣れて、その塊に焦点が合う。

それはセイウチを、頭はそのままに体だけを短くつづめた生き物だった。

目が大きいのが強い印象を与えた。ぎょろりとこちらを見ている。しかし頭が大きすぎる。こいつは絶対にここから動けない。

僕達はそいつから1m以上の距離をとるよう気をつけながらキッチンを通過した。

>何か、前途が不安な感じ?