途絶/散文
僕は世界から離れてしまったようだ。
あの青い空も、白い雲も、町も人も道路も、
時間も。
すべて僕から切り離されてしまったように見える。
何もかもが遠く、手の届かないところにあって、
僕を、嗚、僕を、
嘲笑っているように見える。
この体も、遠い。
腹は減っているのだろう、そんな実感はある。
しかし、脳は、意志はそれとは無関係に、
「何が食いたいと言うのだ。」
と冷ややかに佇んでいる。
すべてがすべての繋がりを否定している。
今日の自分と明日の自分を、
一時間前の自分と一時間後の自分を、
自分の体と心の自分を、
連続していない個別の存在として認識し、
時間の経過と自己の実在を否定している。
繋がっていない―途絶―。
してしまったのか、なってしまったのか、
金太郎飴のような毎日に、
変えられない日常への無力感と、
変わらない日常への倦怠感と、
それらが僕を此処へ運び去ってしまった。
ここではないどこかへ。
どうやったら離れられるのだろうか。
待って居たって誰も気づかないけれど、
かといって何かできるわけでもない。
だから待っていない。
ただ、居る、だけ。
050203推敲