ゴジラと僧兵/夢日記

■020128.mon■

朝に目覚めた。

今日はこれから大学の英語のテストだ。

家を出ようと玄関へと向かう。

ぜんぜん勉強していないのですこぶる不安な気持ちで、それで足取りが重い。(※現実には翌日実施)

廊下を歩く僕に母が来客を告げる。どうも既に父の書斎へと通してしまっているらしい。おいおい誰だこんな朝っぱらから?そう思いつつ書斎の扉を開く。

そこには一点の曇りも無い澄んだ目をした青年が居た。

政治を変えるために手を貸してほしいと言う。

のっけからのドン引きせざるをえない発言だが、しかし彼の目は澄んでいて知性のきらめきも感じられ、信じてもいいような気がした。

「本気か?」と訊いた。真剣な顔で肯く。

返事に思い悩んでいると、後ろで様子を見ていた母がぽつりと言った。

「時間は大丈夫?」

そうだ!今日はテストなのだ!今何時だ!?腰に下げたプロトレックはデジタルで「11:26」を表示している。うわ、まずい。テストは既に始まっている。急いで外へ出ねば!

そうして僕は外に出た(靴履いたっけ?)

外はまだ、夜と朝の境目に差し掛かって深い青に染まっているところだった。

おかしい。これは11時の暗さじゃない。

首をかしげながら家に入り、廊下、台所を経て居間へと戻る。

居間では父が「眠らないかんのに眠られん」と言いながらいつものようにテレビを見ている。テレビの上に掛かっている黒い時計を見ると、針は2時46分を指していた。(※現実には居間の時計は白。黒は書斎の時計である)

なんだかおかしいが、俺の時計が間違っているのだろう。いずれにせよ騒いで損した気分だ。

テレビの画面では大写しに、頭巾をかぶった僧兵が三人、仁王立ちしている。武器を手に手に構えてなにやら戦っているらしい。

さてさて、カメラが引いていく。足元に車が放置されている様が移り、足元からなずずいと頭まで映し終えてビルの頭越しにひとにらみ。そう、この僧兵たちはビルよりでかい。

僧兵の一人が「えいや」と気合をかけると、手に持った六角棒の先がぐにぐにと形を変えていく。そして現れたのは人間が使うのと同じ大きさしかない小さな槍の穂先だった。

視聴者たる俺が「おいおい、こんな小さな槍で大丈夫か?」と思う間に、やりはすっぱりと柄から断たれてしまった。どんな力がどんな相手から飛んできたのかは未だに分からない。とにかく慌てる僧兵たちばかり映し出されている。互いに「おい!何やってるんだ!」と罵り合っているようだ。そんな場合か?

僧兵たちは再三再四気合をかけて穂先を再生させようとするが、うまくいかない。そしてようやく敵が画面に映った。三代目ゴジラだ…!(※v.s.デストロイアにでたやつね)

ゴジラは慌てふためく愚か者どもを見て不敵に笑う。

…あほらしい。企画モノにもほどがある。こんなの見るくらいなら二度寝しよう。

台所を経て廊下を通り自分の部屋へと戻って布団をかぶる。

そして寝入った。

□ □ □ 

…所で目覚めた。

ちなみに11時26分じゃ、どんなに急いだって試験中の到着は無理だった。