Firewell/woNDeRERs

ひと・ひら・と蛾が飛び、井戸端に羽を休める。

ぐつぐつと煮え滾る井戸の底。

イドの底のソレ。

いらつく。

ぎらつく。

吐き出してしまいたい。

熱を。

沸き起こる熱を。

この井戸が湛えるのは清冽な水ではなく赤熱するマグマだ。

粘性を持って体にまとわり付き、肉と骨を焦がす流体だ。

井戸は天に向って吼える。

大地の熱を集めてその砲身から投擲する。

その先に何があるのか?

太陽?

いいだろう。白熱に灼熱を浴びせかけてやる。

太陰?

いいだろう。その欠落に実体を打ち込んでやる。

S的衝動。

その、

熱、熱、熱。

ねつ。

この粘りつくような音。

胸の奥から出て、口の中で捏ねるような発音。

ねちっこく、ねつっぽく、そういう想いが、イドを通して奔冽する。

だがそれでいて宙を舞う雅を焼かぬように。

蝶の優雅を忘れずに、憧れる蛾の姿を。

日月と、蝶似蛾と、井戸と、それと、基盤と。

そういう、妬き込まれたイメージ。

そこから爆発するエネルギーで月へとお別れ。

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