スパイと魔法と/夢日記

■060916.sat■

1>スパイ

港の一角に秘密裏に建造された研究所。

今回のミッションはここからデータディスクを盗み出す事。

中身のことは知らない。ただ、ここが化学系の研究所である事しか知らない。

月明かりも星明りも無い薄曇の空によってつくられた真闇。

少し空気が重たい。

車から降りた僕は走り出した。

駐車場を走り抜け、建物の入り口でスリットにカードキーを差し込む。

ここまでは問題無い。問題は、中だ。

研究所の中は静まり返っている。

その中を静かに走り抜ける。足音は極小。影の様にするすると移動する。

目的の部屋に到着する。

苦も無く目的のディスクを手に入れた瞬間、背後でドアが激しく開かれた。

「誰だ!?」

僕は後ろを見ずに走り出す。

低い破裂音と甲高い破壊音、そして怒号が背後から追ってくる。

僕は振り返る事無く走りながら、懐から銃を取り出し前方へと発砲する。壁の上のほうに窓がある。それが割れる。

僕は机、棚と蹴り、窓を破って外に飛び出す。

窓の外、3mほど落下して研究所の裏庭に落ちる。

「迎えを」

走りながら小さく囁いた。マイクロフォンが拾ってくれるだろう。

ほどなく金網の向こうに走り寄る車体が見えた。僕は軽快に金網を飛び越え、トラックの荷台へと飛び降りた。そしてそのまま荷台に体を伏せて銃弾から身を守る。

車はぐんぐん加速し、やがて港から去っていく。

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夢の中は体が軽くて楽しいっす。

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2>魔法の世界

長ったらしい真っ白なローブを着て、純白のドレスに身を包んだ女性に謁見している。

どうやら何かの仕事の報告のようだ(まさかさっきのスパイじゃなかろうな?)。

「ご苦労でした」

そう女性が言う。女王なのだろう。

「はっ。また何なりとお申し付けを」

そう言って僕は退く。

辞去する途中、窓の外を見て驚いた。夜の街へと近付く巨大な影。

窓に近寄ってそれを見極める。

「九頭竜王か!」

九本の首を持つ全長20メートルはあろうかという巨竜が海から上陸し、市街地へと入ろうとしている。

「陛下!大変です!竜が町へ!」

振り返り言上する。僕の顔色を見ていたのであろう、女王の判断はいかにも早い。

「光の珠を持って至急赴きなさい!」

「はっ!」

投げ渡された光の珠と呼ばれる破邪の宝珠を手にし、僕は階段を駆け下りる。

避難する住民の流れを掻き分け、現場へと急ぐ。

既に街区の自警団が避難民の誘導に勤めているが、巨竜の来襲という大変事に冷静な避難という状態にはほど遠い。

どうにか現場付近へと到着した。騎士団が非常線を張っており、敬礼をこちらに向ける。

「無用だ。状況は?」

「商館にグールの類が侵入しており、騎士団が制圧に向かっています。竜の方は…」

そう言って斜め後方を見上げる。巨竜に対面する建物の屋上に人影があり、杖を高々とかざしている。どうやら、彼が抑えているらしい。

「あちらはこれがあればもう少し大丈夫だろう。渡しに行ってくれないか?」そう言って光の珠を懐から取り出した。

「はっ、かしこまりました!」震える手で宝珠を受け取り、兵士は走り出す。それを見て僕は商館へと向き直る。

「先ずはこちらから…」そう呟きつつ商館へと足を踏み入れる。

ドアを開いた瞬間に、一体のグールが飛び掛ってきた。いや、飛び掛ったというよりは追い立てられて来た所に僕が現れたと言うべきか。

交差法気味に顔に向かってきた爪を払い、肘鉄を見舞って投げ落とす。

這いつくばったそいつには目もくれずに進む。追い立てていた騎士が止めを刺したのだろう、背後で断末魔の奇声が聞こえた。

商館内のほとんどの場所で、戦闘中ではあるが優勢を保っている。しかし、ひときわ不吉な気配の漂う一番奥の部屋の前に、険しい顔の幾人かの騎士達の姿があった。成程、これほどの邪気ではなかなか踏み込めない。

「退って他を助けてやれ」手で示しながら転戦を促す。

そして、ドアを開けて単身室内へと入った。

静かだ。

成程、衣装屋か。クローゼットが多くある。つまり、隠れている。

しかし、気配は隠せていない。

僕は意に介さず部屋の真ん中へと歩を進める。

ちょうど真ん中に足を止めた。それを合図に物陰という物陰から異形が飛び出す。

バギクロス!」(←そこでドラクエかっ!www)

逆巻く風に濃緑色の肉が切り刻まれ、吹き飛ばされて壁へと叩きつけられる。これで十数体のグールが行動不能になったろう。

この商館にはもう邪まな気配はほとんど残っていない。

僕は来た通路を戻り、外へ出た。

そして、九頭竜王の姿を見上げる。障壁で足止めをしているようだ。

僕は、器用にも建物の凹凸を足掛かり手掛かりにして屋上へと登った(何故か気分的に飛べなかったんだよ…)。

これまで障壁で押し留めていた男から光の珠を受け取る。

そして光の珠を右手にかざし、呪文を唱えた。

右手からまばゆいばかりの白い光が発せられ、九頭竜の腹を撃ち、弾き飛ばす。勢い余って向かい側の建物にぶつかったが、仕方ない。僕は立て続けに呪文を唱えて二撃目を放つ。

再び九頭竜の巨体は大きく浮き上がり、海へと落ちた。

そしてそのまま上がって来ない。どうやら逃げたようだ。

下の方でも戦闘はほとんど終わり、港町は静かな朝を迎えようとしていた…。

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ドラクエですがな。

しかし、最近巨大怪獣が夢に出てくるな。

プレッシャーを感じているからなぁ…くっ…。