夢日記060411

■06.Apr.11.tue-1■

木靴を履いて水の上を歩くという競技が行われている。何でも北欧の伝統競技だとか。僕は聞いた事が無いが。

でも、結構楽しい。

スケートのように水面を滑るように進むのだ。

□ □ □

また、奇妙な遊びが…。

こういう実在しかねない事が出てくると、実は見た事があるのでは?と自分の記憶を疑います。

■06.Apr.11.tue-2■

ぱきり。

軍靴の下でコンクリートの破片が割れた。廊下には大小の瓦礫が転がっている。

かつてここは病院だった。いまでも廊下の向こうからあの看護婦さんがひょいと顔をだす―そんな気がする。

あのこはいいこだった。

しかしここは今は廃墟だ。空爆により焼け落ち、今は使用されていない。

米軍が軍事的施設と誤認し、爆撃したのだった。確かに入院患者の殆どは戦地からの帰還兵であったが、空から病院と判らなかったのか?

恨みがましい疑念は尽きない。

リネン室に備品の成れの果てやシーツの焼け残りが山積みされていたのを見たが、それ以外の病室はすっかり空だ。ただ焼け焦げだけが戦火の傷跡として残っている。

廊下を歩き続けた。何を探すでもない。そんな中、無傷のベッドが一台残った病室を見つけた。そしてそこに座る一人の男―

「先輩…」

先輩が顔を上げてこちらを向いた。入院中よりも痩せたような気がするその顔はかすかな苦悩を見せている。

膝の上に画板を載せ、右手に絵筆を持っている。(そういえば絵を描く人だったな)

そう思った。

互いに無言が続いて、口を開いたのは先輩だった。

「知っているか?ここが米軍に接収されるそうだ…。」

言いながらまた先輩は俯いた。目線の先には空爆前の、きれいで明るい病院があった。

「何の為に…」

逆に僕は目線を上にやった。煤けた天井が目に入る。

「米軍基地に侵入した奴がいるらしい。その捜査拠点だそうだ」

意外な話しだった。そんな面倒な奴がこのあたりに潜伏している―。巻き込まれない内に逃げた方が良さそうだ。僕は踵を返した。

「どこへ?」

背後から声が掛かった。意外な言葉に振り返る。

「どこへって、どこへでもですよ。面倒に巻き込まれない内に早いとこ―」

そこまで言いかけて口を噤んだ。先輩の目はどこまでも涼やかで、うつしよを見ていない。

「僕は、行きます」

それだけ言って僕は病室を出た。

裏手の塀を乗り越えた時、ジープのエンジン音と甲高いブレーキ音を遠くに聞いた。茶屋―病院の裏手は茶屋だった―の庭から病院の方を伺った。

背の高い金髪の男達…パイプをふかして、一人偉そうなのが指揮担当だろう。すんでのところで逃れたか。しかし先輩は…

思考が自分から離れた瞬間、パイプの男と目があった。歴戦―そんな言葉が脳裏を走った。動けなかった。

パイプの男は周囲に指示を出す。4、5人の視線がこちらを向く。僕はそこでようやく逃げ出した。

□ □ □

長い!

時々こういう戦後的夢を見ます。

何故だかは分かりません。映画やテレビの影響なのは確かだが…。