作:カート・ヴォネガット・Jr、訳:浅倉久志『タイタンの妖女』ハヤカワSF/読書感想

ジャンルを言うとネタバレになるジャンルのSF小説です。

この作品の肝は、ウィンストン・ナイルス・ラムファードの描写は、フランクリン・ルーズベルトを意識してなされているということです。

それが前提にあればかなり面白い。

この前提は、訳者あとがきを読めば書いてあるのですが、あとがきにジャンルが書いてあってネタバレになるのが痛し痒しですね。

僕もWikipediaを改めて読んで再認識したのですが、ルーズベルト大統領はニューディール政策で有名ですが、世界恐慌直後から第二次世界大戦が終わるまでの間、ずっとアメリカの大統領の座にあったわけです。

だから、この作品はヴォガネットが見た世界恐慌前夜から大戦後までを滑稽化したものなのですね。

……現代日本人の僕にはツボが分からなくて、退屈に感じられるわけだよ。

ラムファードのモデルがルーズベルトだという前情報があったら、もっと早く読み終えられたかな。