誤用との闘い/小人雑感

アダルトチルドレン」という言葉を報道ステーション内で誤用したということで、古館氏が謝罪したそうです。

「アダルトチルドレン」を誤用 テレ朝「報ステ」謝罪(asahi.com 2008年02月15日01時08分)

一般にこの言葉は、アルコール依存症の親を持つなど、子どもの時の家庭環境に傷ついたまま成人した人を指す。

……正直な話、僕は「ああ、そういえばそういう意味だったっけ」と思った。

この言葉が使われるようになったのはもう5年以上前のことだったと思うけれど、あまり使う必要に迫られることがなかったので僕の中でこの本来の意味は希薄になっていた。そういえばこんな哀しい言葉あったなぁ……。

誰かがいつの間にか誤用しているのを気付かずにやり過ごして来ていたかもしれない。その意味で、この事件は古館氏が犠牲となって「アダルトチルドレン」の正しい意味の普及に一役買ったのだと見ることができるのかもしれない。

しかし、「大人になりきれていない子どものような成人」を指す言葉なんて、自称大人が盛んに使いたがりそうなのに、はっきりと“コレ”という言葉が思いつかないのは不思議だなぁ。

それがあればこのような誤用が広まる余地は無いと思うのだけれど……

「とっちゃんぼうや」はちょっと可愛いイメージなのが違うしなぁ……

もしかして、そういう言葉が存在したとしても「今の若い奴らに○○って言ってやりたいけど、俺達もよく言われたしなぁ」という感じで身に抓まされる気持ちになってしまうから定着しにくいのかもしれない。

とにかく、誤用が広まりにくい要件の二つ(より適切な言葉が存在する、その言葉の意味がちゃんと認識されている)の内の一つが満たされたのだから、これから誤用が減るであろう事は良いことだと思いました。

例えば、ネットで広まっている誤用に「Wiki」あるいは「ウィキ」を「Wikipedia」の略とするものなんかは、「Wikipedia」が「"Wiki"というシステムを用いた百科辞典(Encycropedia)」という意味のネーミングであると説明したとしても「"Wiki"というシステム」が何なのか殆どの人が納得できないから誤用が減らない。

Wiki」をgoogleで検索したら「Wikipedia」が先頭に来ちゃうしね。(「ウィキ」でググるWikipedia内のウィキに関する記事が先頭に来ます)

しかも、Wikipediaの「ウィキ」の項目見てもどれぐらいの人が分かるかなぁ…というのが正直な所で…。

その背景には、イマイチ、プログラムやらシステムとかHTMLとかってのを教育機関でちゃんと教えてないってのがあるような気がします。

最近はどうだかしりませんけど、僕が学部生だったころの「情報」の講義では理系はC++を学び、文系はHTMLを学ぶという違いがあって、その時間数も十分と言う感じではなかった。簡単なプログラムを組むだけで、技術として身に付いた感じはしなかったです。僕のITリテラシー低いのはそのせいだと信じてる(←自分の努力棚上げ)。

ちなみに僕は「ウィキペ」と略しています。

本当は三文字で「ヰキペ」って略したいんですけど、それだと変換しにくいので。

あ、むしろ「Wiki」の日本語での読みを「ゐき」あるいは「ヰキ」と表記するようにするというのはどうだろう?良くないですか?なんだか古風で。

ウィキペディア」の広がりに白旗を揚げたように見えるかも知れないけれど、少なくとも明示的に「Wiki」だけを指すことができて便利が良いと思います。

ためしにやってみる……

まとめゐき

……「まとめぬき」に誤読するか……(´・ω・`)

まとめヰキ

……字面がくどい……(´・ω・`)

……そもそもこんなウェブの片隅で語った所で高が知れてらぁな。