森博嗣『λに歯がない』講談社文庫/読書感想

建築物の研究所に作られた密室に、歯を抜かれた4つの死体。

死因は銃殺。

万全のセキュリティで入退室の記録は完璧。

しかし、殺された4人が入り、犯人が出て行った記録はなし。

Gシリーズも5作目、ってことで過去のパターンからすれば折り返しになるのかな?

西之園萌絵のトラウマを絡めて、物語が進み始める。

ここまで静かに進んできただけに、底流がずっと先に行ってしまっていそうで怖い。

それにしても、このトリック!

悔しいな!見破れなくて!そうかー、そのトリックは面白いだろうなぁ。

国枝助教授の感想に同意。うーん、やられて嬉しくもある。

これは、いろいろオススメしたいぜ。

あと、棋士瀬川晶司氏のあとがきも面白い。

(2010.06.18読了、2010.06.21感想)

それにしても、

「たとえば、死んだ人間を、もう一度、生かす、というような発想だ」

それはεの時に僕も思った。死んだ精神の再生事例を集めるための放任……。

四季の動きがすごく気になる……。