エキナカ・イベント/夢日記

■夢■

ホームから階段を上がった所が駅舎になっている。合成樹脂の灰色の壁面がメタリックに近い印象を与える近未来的な建築意図の構内。円筒形の待合室の半面は総ガラス張りで、中の様子を通りすがりに見ることができる。

待合室はその奥の商業スペースに繋がっていて、そちらでなにかステージを組んでいるのが見えた。

そして、こもった歌声をガラス越しに聞いた。

僕は待合室の自動ドアのスイッチを押し、中に入っていく。待合室の残りの半面はドアを含む半分が取り払われて、商業スペースと繋がっていた。

スポットライトがステージ上の歌手に降り注いでいる。

長い髪の女性歌手の独唱。しっとりと流れるメロディ、力強く人を勇気づけるような歌詞。

最後のサビを高らかに歌い、歌手はおじぎをしてステージを下がる。

僕の位置はステージ脇に近くて、女性歌手が頬にかかる長い髪を掻き上げた時、眉をひそめてため息をつくのを僕は間近に見聞きした。

さも不本意そうな様子。僕はむっとした。

観客の数はまあまあ。押し合うわけでもなく、隙間が目立つでもない、ゆったりと曲を聴くのに適切な距離感。

続いて男性歌手がステージに上がった。

一転してアップテンポの、力強いボイス。ギターの高音が頭に響き、低音の歌声が腹を震わせる。

仮設ステージのごちゃごちゃとした音響が惜しい。

□醒睡□

商業スペースに空きがあって、そこで活性化イベントをやったというところでしょうか。

女性歌手のため息はただの安堵だったかもしれないけれど、僕には不本意そうに見えたということ。