TABLE FOR TWO 事務局長 小暮真久『「20円」で世界をつなぐ仕事』/読書感想
発行は日本能率協会マネジメントセンターです。
先進国と途上国の2つのテーブルをつなぎ、2人にとって良い食事をもたらす活動をしているNPO法人「TABLE FOR TWO」(⇒「TABLE FOR TWO」ウェブサイト)の事務局長が書かれた本です。
まず、この本、普通にビジネス書として通用するのがポイントです。
第1章でNPO活動をめぐるきびしい現状がかいつまんで説明されます。
第2章で小暮氏がそんな状況の社会事業の世界になぜ飛び込んだのかの想いが語られます。
第3章では、そんな現状と自身のスキルを組み合わせて、どのようにしてそのきびしい現状におかれたNPO活動を成長軌道に載せたのか、が用いたビジネススキルとともに語られます。
終章では、今後の展望が語られます。
そこには、世界的先進国の中での社会貢献へ向かうトレンドを踏まえた議論があります。ちょっとできる、気分の良いこと。これをキーワードにして個人をつなぐ動きに、企業活動をうまく載せること、これ、今後あらゆる事業活動の要点になると思います。
さて、その一例たる「TABLE FOR TWO」は実際どのような活動をしているのか?
……その前に、お尋ねします。
NPO活動に協力してみたいですか?
……どうでしょう?ちょっとひっかかる方が多いと思います。
よく分からない。怪しい。どういう仕組みかよく分からない。非営利なのにお給料をもらうって詐欺?
それが日本のNPO活動の現状です。
では、「TABLE FOR TWO」の活動をみてみましょう。
対象となる定食や食品をご購入いただくと、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。
20円というのは、開発途上国の給食1食分の金額です。つまり、先進国で1食とるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みです。
(⇒「TABLE FOR TWO」ウェブサイトより引用)
わかりやすいですね。
「食べ過ぎているあなたの一皿を、貧しい子供たちの一食に」ってことです。
非常にわかりやすく、お手軽さを感じさせます。
参加してみたいと思った人は多いと思います。
NPO活動だって、見せ方次第なんですよ。
このような自分たちのプロダクツを気軽に手にとってもらえるような工夫。
これが他のビジネスに応用できないはずがありませんよね。
非常に興味深い本です。ぜひお手にとってみてください。
(……と、絶賛することで支援に代えさせていただきますか。)